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ダー松の映画三昧の日々・2
1999年11月から
ちなみに♪マークの作品はダー松の特別お気に入りの作品
「白衣の階段」/S・シェルダン原作[だったかな?]の3人の女医のTVドラマ。最近は医者ものが大流行りだが、「ベン・ケーシー」の大昔からどうも医者物は好みじゃない。黒沢の「赤ひげ」も「静かなる決闘」もどうも受け付けません。せいぜい「ブラック・ジャック」くらいかな。またまたチョンボでこの番組も3時間近く観たあたりでラスト30分〜1時間が録れてない。あ〜、無駄な時間だった。でも1箇所だけいいシーンがある。昏睡状態の患者に医者のひとりがまるで独り言のように囁く。「…ウェスタンが好きでね…、「シェーン」、「荒野の7人」…そう、あの映画の7人の役者、全部言える奴いないんだよな〜…、ブリンナー、マックイーン、コバーン、ブロンソン、R・ボーンまでは言える奴はいても…、よく知ってる奴でもせいぜいドイツの役者ホルスト・ブッフホルツまで…、あとの一人は…、誰も知らない…」。ちょっと間があって…意識不明の患者がつぶやくように「…ブラッド……、デクスター…」、驚く医者! と、まぁこんなシーンだが、ちょっとにんまり…。
「女と女と井戸の中」/観ている間も観終わったあとも不快感しかない実にしょうもない映画。何かおもしろそうな予感がしたんだけど…。
「グラインド」/パッケージを見て、カー・レースをからませた犯罪アクションと思って借りてきたら、レース場面は数秒、拳銃は1度も火を吹かず、すっかりあてが外れる。兄弟、父と子、義弟と兄嫁とのしがらみの渋いドラマに終始、まぁまぁですか。
「バウンスkoGALS」/原田眞人&役所広司の「呪縛」コンビによるコギャル映画。中年元活動家の二人、桃井かおりがブルセラショップ、役所がカラオケでインターなど唄うヤクザという恥ずかしい役で出演。オジさんが援助交際を描いた救いようのない映画。どうしょうもない。同じような題材なら三池崇史監督の「天然少女 萬」の方が数倍おもしろい。
「ジョイ・ウォンの魔界伝説」/「侠女」「忠烈図」「血闘!竜門の宿」等々の名作を放ったキン・フ−監督だが晩年のこの作品はちょっと食い足らず。ちらりとかいま見れるキム・フー美学と台湾[?]の古い村や寺院はなかなか魅力的。
「ナイスガイ」/ラストの大型トラックで豪邸をぶち壊すシーンは凄いがJ・チェンの映画としては並みの出来。今週公開される「WHO
AM I?」はおもしろそう。
「東雲楼/女の乱」/五社英雄が創ったこのジャンル、もはや打止めか。南野陽子がさっぱり成長してないのが悲しい。
「女飼い」/エロシーンはそれなりに…。清水健太郎すっかりぎとぎと脂ぎってる。
「犬、走る」/新宿、不法入国者、中国人、悪徳刑事、ヤクザ、外国人労働者、チャカ、死体運び、SEX、走る、殴る、撃つ、すべてが食い足りない。
「愛と希望の街」/そろそろ「御法度」の公開も近い大島渚監督の未見のデビュー作を予習のつもりで観る。まだまだ日本人全体が中流意識を持つ前の時代の作品。どんどん日本が経済大国から転落していくと、貧富の階級差を撃つこんな作品がまたこれから出てくるかも。古いようで必ずしもそうでもない作品。ちなみに大島作品で1番好きなのは「日本の夜と霧」。きっと今観ても古びてないような気がする。
♪「アウト・オブ・サイト」/企画としてG・クルーニーvsA・バンデラスの対決する映画が観たい。両者、とりあえず一歩引く、と言う事を絶対しない感じで、二人が出会ったら最後、問答無用、銃弾の雨あられ!肉体が木っ端微塵にふっとぶまで激突!R・デニーロvsA・パチーノが激突する「ヒート」以上のすごい映画が出来そう。さてクルーニー主演のこの映画はなかなか洒落たいい味で結構好き。
「野獣死すべし」/当時丸山昇一の脚本を読んだ人がその素晴らしさに感嘆していたもので、しかし出来上がった映画は…?昔観た時さっぱりおもしろくなかったこの作品、久しぶりに観ると何か違った印象があるかなと、深夜のTVで再見。優作の演技が実に臭いな〜。やっぱりつまらん。
「殺人者/裏切りの銃弾」/もと族の頭、岩城晃一主演のVシネマもどき作品。Vシネマは東映のオリジナル・ビデオのことだが、最近は他社のオリジナル・ビデオを含めてそう呼ぶ事が多い。しかしこれだとワンランク下の作品と思われるのか、単館で1週間程公開してパッケージに「劇場公開作品」と銘打つ事多し。そんなせこい事しなくても、ビデオ作品でも十分おもしろいの多いのに。この作品もオール東南アジアロケで悪くない出来。「野獣死すべし」よりずっといい。
♪「獣兵衛忍風帳」/1993年の川尻善昭作品。レンタルビデオ屋でずっと探していた作品をキッズステーションでやってたのでやっと観れた。山田風太郎ばりの忍者アクション。上出来です。川尻監督、今何を創ってるのか?何年も前に「バンパイアハンターD」を創ってるとプランドーニ氏から聞いたがもう出来たのかな?アニメ事情にうといのでわからない。
「Uターン」をとりあえず30分位観て朝6時に寝ようと思ってたら、迷宮に迷いこむ不条理な展開についつい最後まで観てしまう。最後はミステリーらしい終り方で落ち着くところに落ち着くが、「プラトーン」「ナチュラル・ボIン・キラー」のO・ストーンにしてはいけてる。
「ハウス・オブ・フランケンシュタイン」/ハロウィン・スペシャルとして放映されたTV番組。吸血鬼と狼男のタッグ、そして人間側にはフランケンシュタインの怪物がついてモンスター対決が繰り広げられる。3時間もある割には盛り上がらず。
「少年H」のTVドラマ化/日本版「ニュー・シネマ・パラダイス」?津川雅彦がどんどんやな感じの役者になっていく。第二の三国連太郎か。
「シックス・センス」/全然意外でないオチにちょっとがっかり。しかしこういう映画があたるのはやっぱりアメリカも病んでるせいか、日本も癒し系のマンガ、アニメ多い事だし、現在の世界共通の傾向?そんなに親に愛されたいの?
♪「エイリアン4」/遅ればせながらやっと観る。1作目がやっぱり1番好きでこれを100にすると2は95点、3は70点とドンと落ち、今回は85点位にアップ!泳ぐエイリアンがよいな〜。次回の5は遂に地球を舞台に一大バトルが?監督はJ・ウーで飛び交う銃弾100万発!リプリ-の空中2丁マシンガンが乱れ舞い!!?
「リング2」/TVも含めて「リング」シリーズの中では出来いい方。アメリカで「リング」を映画化するという話も。リング・ウイルスますます増殖?
「流血の抗争」/宍戸錠&藤竜也主演のかっての日活ニューアクションの名作の1本を長谷部監督自身がリメイク、修羅場なのに主役以外がただ突っ立つてるだけの冒頭からいやな予感が…、ちょいと悲しい出来…。
「欲望の街1」/早見純から勧められてたこのシリーズ、香港版「仁義なき戦い」 か、香港映画にしてはちゃんとお話が出来てると思ったら、あちらのマンガの映画化。時折そのマンガもインサートされる。なぜか香港のマンガは池上僚一風。全4作あるらしくそのうち残りを…。
「刑事コロンボ/復讐を抱いて眠れ」/今回はP・マックグーハン出演&監督作品。P・マックグーハンはよくこのシリーズに出演していていつも結構水準高いような気が…。本作もまずまず。彼の作品は「プリズナーNo.6」もよかったが「秘密諜報員ジョン・ドレイク」が大好きで、あの番組また観たいな。
「東京暮色」/小津安二郎の映画は都会をせかせか歩くのと違い、田舎町をテクテクゆっくり歩くテンポで、観てると心がなごむと借りて来て観ると、これは何とも暗くせつなく少しもなごまない作品。父親役の笠智衆はいつも通りだが、母親役の山田五十鈴は娘二人がまだ小さい頃男と駆け落ちという設定、この母親に対する娘二人の対応がちょいとひどい。下の娘は「お母さん大嫌い」と罵った後事故で死に、上の娘は「妹が死んだのはお母さんのせいよ」と言い放ち、焼香に来た母に対し家に上げもしない。その夜、東京を離れる母は何度も何度も駅で娘が来るのを待つが、とうとう現れない娘[原節子]に思いを残して寂しく去って行く。ウ〜ン、こりゃ、あんまりじゃないか?ま、「東京物語」だってせつないけど…。
「お茶漬の味」/こっちは心がなごむ小津作品。笠智衆のパチンコ屋のオヤジが「よかった…、ほんとうに…、よかった」のいつものセリフを連発。1952年作品で当時の風俗が珍しい。ビルがちょこっとしかない銀座、プロペラ飛行機、しょぼい羽田空港、立ったまま1発ずつはじくパチンコ、「XX番、出ないよ〜!」とパチンコ台を叩く光景、あったな〜、こんな光景…。作品はこの世にあっても無くてもいいような出来
♪♪「ダーク・シティ」/俺とした事がこんなすごい作品を見逃してたとは!「バットマン」のゴッサム・シティを思わせるダークな世界が何とも魅力的。ダークな雰囲気にぴったりのジェニファー・コネリーも「フェノミナ」以来の魅力。主役の男に魅力がないので損したのか、あまり話題にもならなかったが、吸血鬼もの、「スキャナ-ズ」、「アキラ」、何と「マトリックス」もすでにはいってるじゃないか。あと何回か観よう。ラストシーンもいいっす!「クロウ/飛翔伝説」[これもよかった]のアレックス・プロヤス制作、脚本、監督作品。次作が楽しみ。
「ノック・オフ」/ツイ・ハーク&J・C・ヴァンダムとしてはそれなりに活劇部分は楽しめるが、なぜかいつものキレがない?
「黒い家」を観る。ほぼ原作通りで大竹しのぶはすっかりはまってる。細かいところはともかく、全体的には森田の才気はあんまり感じられず。
「隣人は静かに笑う」/これ位の作品が「XXサスペンス劇場」で毎週観られたらごきげんだが…、それはともかくこの作品もラストがありゃっ!という終り方だというので人から聞く前に早く見なくっちゃ、と思いつついつも貸し出し中だったが、やっと借りて来ました。展開は隣の家にバンパイアが…、というパターンで次第に「ローズマリーの赤ちゃん」風になっていき、最後は…ありゃりゃ…という終り方…。クライマックスにちらりと顔出す女は何だ?と巻き戻して見ると一応前の方に数カット確かに画面に出てるがこれじゃずるいぞ!会話位入れとけ!ラストからさかのぼってチェックするとこの辺はおかしいとか、計画もちょっとこれは無理があるんじゃ?と??を2つ程加えたいが、もともとアメリカ映画は結構「何かと細かいとこに文句もおありでしょうが、おもしろければいいじゃん!」みたいなアバウトさがあるのでまぁ我慢しよう。確かにおもしろかったし…。早見純はあのラストのあとに何かびっくりするオチがあると思ってたのに…と不満そう。
「アルケミスト/背徳の遺伝子操作」/製薬会社の陰謀をあばくイギリスのTVドラマらしき3時間の番組。結構最後まで引きこまれる。
「天然少女 萬/NEXT・横浜百夜」/「天然少女 萬」の続編をまたまた三池崇史監督が何とバンパイア篇という創り…。今や日本映画界は北野武、望月六郎、そしてこの三池崇史でもってるようなもの、であるが本編は「アンドロメダ」と並ぶ珍品…。どう弁護したものかと迷うが年1本の大家に納まらず来た仕事は断わらないというこの活動屋魂をよしとしよう。何しろ今月は「サラリーマン金太郎」と「DEAD
OR ALIVE」も公開中で怒涛の3連発!後者を観て来た早見純は「すげ〜!」と感嘆。竹内力と哀川翔とのVシネマの星が激突する日本版「ヒート」という事で期待大!
「鮫肌男と桃尻女」/眉毛つながりの若戸あきらの顔は痴漢野郎のマンガ家・小多魔雀史の顔に似てる、って事はどーでもいいけど、省略法は北野調、構成は「パルプ・フィクション」、変なキャラがいっぱいはXX…と独自な映画とはいえないが、こういうジャンルは日本映画では大の苦手ジャンルかよくはずすものなれど、本作はお笑いも含め結構がんばってると言えそう。少なくとも望月峯太郎の原作よりはずっといい!次作に注目。
「スフィア」/…海底に宇宙人が?…何じゃい「アビス」じゃねぇか…と思って見始めたら「アビス」というよりタルコフスキーの「惑星ソラリス」のセン…。「ダイナー」「ナチュラル」でその才能を発揮したB・
レビンソン監督、最近ははずしが多かったが今回はまずまず。ただひたすら眠い「ソラリス」よりは退屈しない。
「トイ・ストーリー」/フル・デジタル・アニメと聞いてどんなものかと思ったが、内容はデジタル臭を感じさせない結構素朴な内容で、最後までついつい観てしまう。
♪♪「ブレード/刀」/ツイ・ハークは「ドラゴン・イン」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱」の2本でその名を長く世界映画史に残す事だろうが、ここにまた1本血がたぎる作品が…。香港映画にしては珍しく笑い、ユーモア・ゼロで、暗い情念が爆発する壮絶無比の復讐劇、まるでフランコ・ネロのマカロニ・ウエスタンを思わせる近年久しぶりに観た感じがする濃い時代劇[といっても1995年作]。主役のウィン・ツァオは「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」シリーズのリ-・リンチェイの後釜だったような…?[4本目以降]
「熱血!二代目商店街」/イントロのそれ風タイトルからして竹内力を初め、Vシネマにヤクザ役で出演してる役者たちがぞろぞろ出演し… 、それが魚屋、花屋等に扮し、大手スーパーの進出に商店街の二代目たちが立ち向かう町内会バトルという「スーパーの女」風のしょぼいお話!作り方次第ではおもしろくなったかも?北区桐ヶ丘商店街が舞台で昔、板橋の小豆沢に住んでた時歩いて10分位に本当にあったし現在も実在する商店街、ちょっと懐かしかった。
「共犯者」/「ビーバップ・ハイスクール」のマンガ家きうちかずひろ監督作品は「カルロス」、「ジョーカー」、「鉄と鉛」等々いつもおもしろい。今回は
竹中直人、小泉今日子共演による「カルロス」の続編。内田祐也の殺し屋がズンとくる存在感、前作のチャック・ウィルソンのそれよりずっと凄みが効いてる。きうち作品の中では格別突出した出来ではないもののラストの「アディオス!」は決まってる。それにしても舞台演出家、小説家、TVディレクタI、映画評論家[誰だかわかるね?]、皆最低中の最低の作品しか造れないが
[「ビート」「ハリマオ」「家族ロンド」「シベリア超特急」等々…書ききれない…]、マンガ家の監督した映画はみんな水準以上の出来。マンガ家ってやっぱり才能あるな〜。一度、望月三起也さんに大活劇を撮って貰ったらどうだろう?J・ウーさん、超びっくりの作品が出来るかも!何でもウーさん、監督する時必ず日本のマンガを見るそうで香港では「ワイルド7」は活劇のバイブルになってるらしい。
「若い人」/石坂洋次郎の原作を西河克己監督で。この頃の、高校生の制服姿の 吉永小百合はなかなかいい。しかし現在の姿は、観ているこっちのケツがかゆくなるような演技&存在。女優として
どんどん最悪の道を歩んでいるような…、そのうち勲章でも貰いそうな気がするなぁ…。
「日本黒社会」/三池崇史監督の今年の収穫の1本。物々しいタイトルと違い、在日チンピラたちによる青春映画。新鮮さはないものの、これもいい仕事。
♪♪「DEAD
OR ALIVE」を観るため中野武蔵野ホールまで足を運ぶ。ここは場所は知ってたものの初めて入る劇場。終映前に何とか入場し、短いカットの乱れ打ちのイントロから画面に釘づけ。「犬走る!」で食い足りなかったすべてがここには在る。「マトリックス」の1/50位の[?]予算で三池崇史監督頑張ってます。哀川翔、竹内力のVシネマ両巨頭に加え、女をうんこ漬けにする石橋連司、、北京原人の本田博太郎は手がカツフライに、獣姦ポルノ屋のダンカン、鶴見辰吾、田口トモロヲ[またどこに出てるのかわからない]等々ガイキチが勢ぞろい。う〜ん、俺好みの映画だな〜。しかし、仰天のラストは…これはいささか…?!拍手喝采か大爆笑か?後世までの語り草には成るかも…。いや〜、まいった…。今年のベストワンにするか?
「ブラッド 狼血」/竹内力っていったい年に何本出てるのやら、15〜20本はでてるなきっと…。全盛期の裕次郎やアキラ並みかも。わりと水準以上の出来の作品が多いがこれは4打席続けてヒットのあとの内野フライ…ってとこか。
「スライディング・ドア」/会社をクビになったあと、地下鉄に無理矢理乗った自分と乗りそびれた自分のその後の人生が2通り同時並行に語られる。ニンマリするようなラスト、何だかOLが喜びそうな映画。
「なで肩の狐 凶殺」/渡辺武演出は歯切れがいいが何とも脚本が凡庸。
「御法度」 近年ワイドショー等のコメントを聞くと、何か「きちゃってる」感じの大島渚監督、さて実に久しぶりの本業はどないだ?「戦メリ」と多少は繋がってるが、「剣」と「エロス」とくれば三島由起夫、もしくは三隅研次監督を想起させ、これには「美学」が不可欠、黒沢明と違って絵心ゼロの大島監督、大丈夫かいなと思うが、今回はスタッフの充実か原色を押さえたモノトーン風の色調でいつもよりはいい。それより何と言っても絶妙のキャスティングで「どうだ、これだけ揃えられるのは日本で俺だけ」と自慢そうな監督の姿が目に浮かぶ。藤原組長、神田うのは出てるだけって感じだが、意外にトミーズの雅が好演。たけしもいいっすね。催洋一、浅野忠信、武田真治等々実にはまってる。肝心の松田龍平も悪くない。[口元が優作そっくり!]作品そのものはおもしろいものではないし、大島作品では傑作とは言い難いが、役者観てるだけでそれなりに楽しめた。ま、「マックス、モン・アモール」ならちょっとまずいがこれが遺作ならそんなに恥でもない。鳩を撃つ作品で始まり、桜を斬って終わる、というのもいい映画人生かも?
「ブルース・ブラザーズ2000」/前作のJ・ベルーシと好調時の監督J・ランディスを欠き、不調時のランディス監督、初めからハンデ50の戦い。このシリーズの3つの魅力、1/ぶっとびギャグ、2/はではでアクション、3/全編に溢れるR&B…のうち1と2は大幅ダウン。しかし3は前作に続きソウル・クィーン/A・フランクリン、キング・オブ・ソウル/J・ブラウンの両巨頭が出演、ラストにはロシアン・マフィアや極右テロ集団を魔術でさっさと消してしまい、キング・オブ・ブルース/B・Bキングを筆頭にE・クラプトン、ドクター・ジョン、先日亡くなったG・W・ジュニア等々そうそうたるスーパー・セッション・バンドがブルース・ブラザーズ・バンドと延々、ジャム・セッションを展開。J・ブラウンの牧師の出番が少ないと思ってたら別録りで最後の最後に1曲聞かせてくれて、今回は拳銃ぶっぱなしのレイ・チャールズのオヤジこそ出てないが音楽の楽しさは前作以上か。思うにランディス監督、「ブルース・ブラザーズ」という映画を餌にして好きなミュージシャンにごっそり出てもらい、自前のミュージック・フィルムを創りたかっただけじゃないのか。これじゃほとんどプライベート・フィルム?観てるこっちも楽しかったからまぁいいか。CDがほしいぞ。/追記 J・ブラウンのオヤジは数年前、自宅のトイレを知らない奴が勝手に使ったのでライフル銃ぶっぱなし、駆け付けた警官隊と隣の州までカーチェイスで投獄された事があったが、教会のシーンで「見知らぬ隣人にもトイレを貸せ」と説教するギャグがほしかった。
「女刑事RIKO 女神の永遠」/主人公の女刑事がどうしようもない。100回 位死になさい。
「レイン・メーカー」/コッポラは「ゴッドファーザー」以降好きなのははM・ロークの不良少年OBがいい「ランブル・フィッシュ」のみ。今回も凡作。
「追跡者」/「逃亡者」のジェラード保安官が主役に昇格したハリウッド製アクションの平均点。これより落ちれば満足度低し、上なら満足。という「少年ジャンプ」でいえば「こち亀」のような基準点的出来。
「スネーク・アイズ」/以前の早見純とのTELでの会話。 早「ダーティさん、「スネーク・アイズ」のラストにあるものがストップ・モーションになるんですが、それが何なのかさっぱりわからないんですよ」
ダ「…それ…、何の意味もないんじゃないですか?」
早「いや、パンフレットかチラシにそれを見てにやりと笑ったと書いてる奴がいるんですよ」
ダ「じゃ。巻き戻してまた見てみたら?」
早「いや、たるいんで…、ダーティさん見たらチェックしといて下さい」
ダ「そうですか?じゃ今度見ておきます」 と、大分前に答えたもののレンタル屋に10本以上あるテープがいつも貸し出し中だったがやっと入手。ところでデ・パルマ作品の代表作は何?と問えば好みが分かれるところ。「そりゃデビュー作の『悪魔のシスター』でしょう。あの鈴木清順も絶賛してました。」という奴もいれば「『キャリー』ですね、あのラストはその後のホラーものの[全て終わったあとにだめ押し!]というパターンを創った位だから」、「何ゆうとるの、『殺しのドレス』に決まってるでしょ!」「君たちは『ミッドナイト・クロス』を観てないのか?バカもの!」「甘い!『ファントム・オブ・パラダイス』の凄さがわからんかい!」「『アンタッチャブル』が最高でしょ、これは定説です」等々…さて今回は1つの出来事を3パターン位に語る人の角度から再現、お、「羅生門」形式というかデ・パルマ節快調!と思いきや後半腰砕け。さて問題のラストはいったい何が写るんだ?ヒッチコック・マニアのデ・パルマの事だからヒッチ作品へのオマージュかはたまた自作のパロディか…と思っていたら…、ん?これは…?そうか、この中にXXが…、しかし連中は全員捕まった筈だしこの事も知られてる筈…、実は悪はまだ死なず…って事…?ま、どうでもいいか?いずれにしても中距離ヒッターのデ・パルマ、この打席はファール・フライでアウト!
「ウェス・クレイヴンズ ウィッシュ・マスター」/タイトルに名前がある「エルム街の悪夢」や「スクリーム」のウェス・クレイブン監督作品にあらず、しかしまずまず楽しめる。ラストのオチは「ジョジョの奇妙な冒険」でパクりそうなおもしろいオチ。そういえば何時の間にか「ジョジョ」が『ジャンプ』で復活してる。今回は刑務所の中が舞台か?それとも、さっさとそこから飛び出すのか?限定空間ものが上手いので刑務所だけにした方はいいかも。
「ハードメン」/イギリス版「レザボア・ドッグス」みたいなイントロでさすがイギリス映画、ひと味違うな〜、 と思って観ていたが段々普通の展開になり、願わくばもう一味ほしいところ。
以下2000年1月より
♪「カストラート」/オペラなどあまり観ないせいかこの作品も何度も観る機会があったのに今日まで未見だった。お〜っと、これはなかなかの名作じゃありませんか。
「相続人」/R・アルトマンとしては珍しく普通のミステリー映画。どうしてこんなの創ったのやら?観てる間は退屈しない、しかし終わってみれば満足感なし。
♪「始皇帝暗殺」/黒沢明も死んだ事だし、ハリウッドも金がかかり過ぎるためか創らなくなり、何だかこんなの久しぶりに観た気分の美術も撮影もお見事な堂々たる歴史劇、ってな感じ。冒頭の殺しのシーンがいいと聞いてたが、なるほどこの手がありましたか。中国映画では「三国志」や「水滸伝」も観たけど今回は群集シーンの構図、ひきの人物の配置等々も含め一級品の出来。
「蘇る金狼」/松田優作のこの映画、久しぶりに再見。「野獣死すべし」より優作の演技、臭くない。でもハードボイルドの主人公が女に刺されて死ぬなんて最低だ。昔観た時と印象同じ。
「ファイアーストーム」/「追跡者」同様、ハリウッド活劇の平均点。
「上海グランド」/一時、上海旅行のプランもあったが、何かロマネスクな雰囲気のある上海。いつか行ってみたい気分にさせてくれるR・チャンとA・ラウのノスタルジック、メロ、アクション。悪くない。
「さらば宇宙戦艦ヤマト」/恥ずかしい位クラシック。最後のジュリーの歌を聞くまで観てるのが実に苦痛だった。
「ラッシュアワー」/ジャッキI映画では「並みの下」位の出来。しかし最近の黒人刑事キャラはE・マーフィー以来しゃべりがうるさい!元祖黒人刑事「夜の大走査線」のS・ポアチエは寡黙だったな〜としみじみ…。
「カンゾー先生」/これだけ観たい気を起こさせない作品を創り続ける監督もそうはいない。ま、好みの問題かもしれないが…。世には今村作品を心待ちにしてる人だっているだろうから…。俺は待ってない。
「激しい季節」/脚本に日活アクション時代に数々の名作を残した永原秀一の名が…、ん!これは拾い物かも…、と見始めるが…、いやはや何とも…信じられない出来…。
「ブラック・ジャック」/サブ・タイトル忘れた。年末に日テレで昼にやってた超人間が出るヤツ。出崎&杉野コンビの作画も内容も相変わらずクオリティ高い。もっとどかどか他の作品も創ってほしい。
「京極夏彦 怪 七人みさき」WOWOW制作のTVドラマ。チープな必殺もの、といった感じ。あと2〜3本創るらしいがもう観ない。
「シュリ」/おすぎが「観なさい」などと言うと観る気も失せるが、韓国で去年のナンバーワン・ヒットだったらしいこの作品、早見純がくれた字幕なしビデオで観る。韓国アクションならJ・ウー等の香港風かと思いきや、そのたたみかけるスピーディな演出はJ・フランケンハイマーの「ブラック・サンデー」を思わせ上出来、字幕なしでも充分楽しめた。しかしこの人間ドラマを堪能するにはやっぱり字幕入りの劇場で観るべきだったと後悔。
「ナニワ金融道/ミナミの帝王」/竹内力の口をゆがめた力んだしゃべり、何とかならんか。山本太郎はたけしの「元気が出るTV」でメロリン・キューだった奴か?
「ボクサー」/「マイ・レフト・フット」「父の祈りを」に続くJ・シェリダン&D・ディ・ルイスの映画だけにただのボクシング映画の筈もなく、IRA、カトリック、プロテスタント等々に遠い身から見ても実に濃くて渋くて苦い。この映画のデイ・ルイスは抑えた演技でボクシング場面も含めてなかなかいい。
「踊る大捜査線」/年末のTV放映でまた観る。未公開シーン入り完全版を近日ビデオ発売とラストに出るが、フジTV、こういうアコギな2度売り商売はいいかげんにしろっつーの!
「罠」/林海象監督による私立探偵「マイク・浜」シリーズの3本目。B級探偵ものをあえて狙ったこのシリーズ、いつも物足らない出来。はずまないな〜。今回もうっとうしい。
「恋愛小説家」/このJ・ニコルソンのアカデミー主演男優賞演技に最後までつきあうのか…こっちの犬の演技の方がずっといいぞ、とうんざりしつつ見ていると途中からそれほど苦痛でもなくなる。主人公がいつも歯の浮くようなハーレ・クイーン・ロマンス風小説でも書いているせいか、実生活では逆にきつい言葉ばかり吐いたり神経症の病い持ちという設定は、何だかそうかもな〜という気がしてくる。
「死体を売る男」/「サウンド・オブ・ミュージック」「ウエストサイド物語」のR・ワイズ監督はその昔B級ホラーをせっせと撮っていたらしく、これもその頃の実にクラシックなホラー作品。ほとんど満足感なし。
「5枚のカード」/本作は珍しくミステリー・ウェスタン。しかしD・マーチン、R・ミッチャム共演のH・ハサウェイ監督による西部劇とくればそれなりの作品を期待出来る…、出来は…水準以下かな…。
「ボディバンク」/J・ハックッマンとH・グラント共演の医療ミステリー。こういう医療&病院もの多いな〜。まずまずの出来。
「香華」/若き日の菅原文太、加藤剛、「けんかえれじい」の浅野順子[現・大橋巨泉夫人]等々珍しい顔が見れる。母娘が花魁、芸者だとちと朝向きではないが、連ドラを観る気分で3時間を木下恵介監督の
明治、大正、戦後の昭和まで母と娘の女の一生。1964年製作、36年前の作品で近頃の日本映画では観れないような堂々たる作品。乙羽信子のどうしようもない母親が腹が立つ位の存在感。三木のり平もいい味だしてる。
「ポゼッション」/イザベル・アジャーニがヌルヌルの化け物と絡むシーンを以前から観たかったのを今日やっと…。お目当てのそのシーンは「うろつき童子」等の日本のアニメに遠く及ばず、アジャーニはバレエを教える場面等で美しいがお話がどんどんハチャメチャになっていき、これじゃフランス映画駄目な筈だ、と納得。もっとも随分昔の映画で近年は少しは盛りかえしてるかな?
「陽のあたる坂道」/石坂洋次郎の原作を裕次郎、北原三枝で。1958年製作の40年以上前の作品なので今観ると時折プッと吹き出したくなる場面もあるが、結構好感の持てる仕上がり。中島史雄氏がファンだったという芦川いづみ[現・藤竜也夫人]がいい味。
「デッド・マン」/ジム・ジャームシュの映画は観る時の調子でおもしろいともつまらないともどっちとも言えるがJ・デップ主演のウエスタンである本作もやっぱりどっちともいえる作品。30分ずつ4日にわけて観たので印象ばらばら。N・ヤングの音楽だけはいい味。
「借王[シャッキング]3、4」/借金何億と抱えたろくでなし男女が一仕事して少しずつ返済していく哀川翔、夏木陽子、志賀勝のトリオによるシリーズ。仕事しながら観るにはまぁまぁの出来。騙される方がちょっと頭悪すぎるかな。
「ジャングル・ブック」/絵も動きもキャラも好きになれないディズニー・アニメの凡作。
「ランナ・ウェイ」/ハリウッド活劇の平均点よりちょっとだけ落ちるかな。
♪「殺人者にラブソングを」/ずっと前に観てそろそろまた観たいな、という作品が何本かあるがこれもその1本でR・カルプ監督主演、共演B・コスビーの1972年作品。ちょっとハードボイルド風の
渋めなれど、スタジアムの場面や車が穴だらけになる ラストの銃撃戦は 数十年ぶりに観ても悪くない。
「ニンゲン合格」/薄気味悪い作品ばかり創ってる黒沢清監督、この作品は最初の方は市川準のタッチを思わせうっとうしいが、いつもと違う味でこんなのも造れるじゃないかと意外。
「ポストマン」 /K・コスナー主演監督作品。まるで「ウォーター・ワールド2」みたいな世界で、あんなに不評だったのにそれにめげず同じような作品を創ってしまうなんて…コスナーをちょっと見直してしまう。「ウォーター・ワールド」は世評ほどひどいとは思わず結構好きな作品で、本作も途中までは悪くない。ただ終盤が何ともしまらない。しかしコスナーはよっほど「マッド・マックス2」が好きなんだな〜。俺も好きだけど…。
「ナッシング・ツゥ・ルーズ」/たいして笑えない。話のおもしろさも並の下。
♪「妻は告白する」/増村保造の作品は当方が全く興味のない題材の作品でも、いつもどの作品も[晩年の作品を除けば]おもしろい。これは若尾文子が何とも美しい頃の1本。
♪「夫が見た」/これまた増村保造&若尾文子コンビの絶頂期のお見事な作品。女一人のために己の野望を捨て去る田宮二郎がえらくかっこいい。
「アベンジャーズ」/よくこんなのにショーン・コネリーが出てくれたなと思う1本。もと007のコネリーがドクター・ノゥになったような感じでそこだけおもしろい。「映画秘宝」の007特集を見るとこの「アベンジャーズ」の原作TV番組の女優を映画のボンド・シリーズがどんどん持って行った過去があり、その見返りでコネリーが出演してあげたとの説が。
「ポイント・ブランク/殺し屋の憂鬱」/J・ブアマン&L・マービンの同名作品にあらず。殺し屋が鬱になってしまい、殺しの仕事をかねて故郷の同窓会に出る…という基本アイデアから創ったような作品。このコンセプトならこれくらいは笑えるだろうと思う位の水準には達してる。
「M/OTHER」/いやはや何ともたるい日本映画。楽しめた人など一人もいないのでは?どこぞの外国の映画祭で賞を受けたらしいが信じ難い。
「ブレード」/ツイ・ハークの「刀/ブレード」にあらず、CGもチープなB級バンパイア・アクション。それなりに楽しめる。
「オークション」/エロっぽいパッケージにつられて借りてしまう。レンタル高速回転とあるので多くの人がパッケージにつられたかも?目玉の女体オークション場面は時間をたっぷりとってあるので大外し、という事もないがそこそこの出来で満服感はもう一つ。最近エロ文化愛好会に推薦するブツがない。
「制覇」竹内力主演のもう何度も腐る程観たヤクザ抗争ものなれど、結構力はいってる。
「39」/森田は「黒い家」よりこっちがずっといい。役者も杉浦直樹、岸部一徳等の存在感がズシン。しかし最近人の名前が覚えられなくなってきて、人物関係が複雑にからんでくるとメモしないと解らなくなってきた。特にハードボイルド風作品は会話の中で誰それがどうしたこうしたと説明するので、小説なら前に戻って読み返せばいいが、映画だと実に困る。以前「青いドレスの女」を観たときは人物の相関関係を図にしながら観たもので、
その点ビデオは便利。映画館だとちょっと自信ない 。
♪「スリーピー・ホロウ」/ アメリカ人なら誰でも知っているという有名なこのお話、日本で創ったらさぞちゃちいものが出来るんだろうけど、さすがに時代色を出したセット、撮影、T・バートンの人工宇宙がお見事。デビュー以来「バットマン」「マーズ・アタック」「エド・ウッド」「シザー・ハンズ」等々はずしがないのも珍しい。次作は「スパイダー・マン」という話も聞いたがどうやらサム・ライミが有力とか。
「コレクター」/W・ワイラーの作品にあらず、「セブン」が当たったので企画されたような作品。M・フリーマンは昨今の黒人刑事のようにうるさくないので好みなれど、出来は食い足りない。
♪「ブギー・ナイツ」/ポルノ映画業界の 70年代の共同体が80年代の安上がりのビデオ時代で壊れていく様が、まるで我がエロマンガ界を思わせ何とも切ない。再生…?、で終わるラストもなかなか味がある。この監督様々な人間を描くのが本当に大好きみたいで公開中の「マグノリア」も楽しみ。
「マスク・オブ・ゾロ」/バンデラスがアラン・ドロンの「ゾロ」もどきにさんざんいいかっこする作品みたいで観る気がしなかったものの、これが意外や三枚目風で初代ゾロのA・ホプキンスが二代目を鍛える展開とは知らなんだ。バンデラスもいつものように油ぎってないので嫌みなし。007シリーズのマーティン・キャンベルは空間を上手く使ってそれなりに楽しく創ってる。仇役がしょぼいのが残念。
「海ほおずき」/唐十郎のしょぼくれ探偵[?]もどきが散々ひどい目に合うあたりはおもしろくなりそうで、そうはならないのがやはり林海象監督作品。まだこの人の作品でおもしろい作品に出会ってない。
「桜桃の味」/「友達の家はどこ?」で感激したのイラン、アッパス・キアロスタミ監督のカンヌ・グランプリ作品、なれどあまり感心せず。
「アンダー・ワールド」/一見普通のアクションもの、しかし何とも変な作品?
「仮面の男」/「三銃士」ものはR・レスターの「三銃士」&「四銃士」を観てから、もうあれ以上のものは造れないような…。今回は「鉄仮面」篇、オールド三銃士のJ・マルコビッチ、J・アイランズ、G・デパルデューの3人はかなり強力!なので、デカプリオ&そのファンのためだけの観るに耐えないひどい作品と思ってたらまずまず観れる。しかしデカプリオは「クィック&デッド」の生意気そうなガキの時が一番よかった。
「5月の7日間」/昨年「RONIN」で復活したJ・フランケンハイマーの絶頂期[「グランプリ」「終身犯」「影なき狙撃者」「大列車作戦」等々]の作品の1本を久しぶりに再見。政治ミステリーとしてソ連はもうないが今見ても古びてない。
「ポケットモンスター/ミューツーの逆襲」/全米ナンバーワン・ヒットの作品、予備知識なしに観てもちゃんと観れる。よく創ってあるけどたいしておもしろくもなし。
「催眠」/何だかはちゃめちゃな出来。すっかりこんな作品が流行ってますな〜。
「極道の妻たち/死んで貰います」/高島礼子がババァくさくなった…のはともかく、普通最初か最後に流れる役者、スタッフ名がラストの斎藤慶子との殴り込みの道行きの場面に流れるのはこの手の映画ではおそらく初めて?[アニメではあの悪名高き「エヴァ…」がありましたね]しかしたった女二人に壊滅させられるヤクザ組織って、いったい…?
♪♪「デッド・ゾーン」/TVでやってたのを久しぶりに途中から観る。寒々とした風景の中、近年すっかりカルト俳優っぽいC・ウォーケンが超能力を持ってしまったばかりの男の末路を実に悲しく演じ絶品。クローネンバーグの作品では一番好きな作品。
「新・刑事コロンボ/奇妙な助っ人」/このシリーズは犯人VSコロンボの知的ゲームの筈なのに事件解決のためとはいえマフィアの暴力に頼って白状させるとは…コロンボの汚点になりそうな事件。P・フォークもすっかりじいさんに、寅さんのように役者が死んで終りかそれとも「コロンボ最後の事件」の回を創るか、興味のあるところ。
「TOKYO EYES」/TVで吉川ひなのを見ると「ちゃんとしゃべれ!」と頭をかち割ってやりたくなるが、この映画のひなのは悪くない。終りの方になぜかタケシが間抜けなヤクザ役で出ている。「御法度」の前に武田真治と共演していたとは知らなんだ。
「ジャガーノート」/パニック映画が流行った頃のこの作品を久しぶりに再見。出航する巨大客船から始まり小さなたった2本のコードに収斂させていくR・レスター監督のお見事なお手並み。爆弾処理人のR・ハリスがえらくかっこいい。この作品のあと「赤を切るか、青を切るか」は色んな作品に流用され、マンガでは「パイナップル・アーミー」、TVはあの古畑任三郎でも使ってた。
「ハムナプトラ」/「インディ・ジョーンズ」「マッケンナの黄金」等の冒険活劇のエッセンスを詰め込んでSFXもふんだんに結構楽しめる創り、しかし最初に出てくる美女が一番よかった。あの衣装で全編に出ずっぱりだとエロ文化愛好会推薦だけど。
「交渉人」/交渉人のプロ同士の駆け引きで見せるという基本アイデアがいい。 S・ジョーンズ&K・スペイシーの役者も揃ってもう少し腕のいい監督だともっとポイント高い出来になったかも。しかしラストのあの男が犯人なら主人公たちを早く始末しようという廻りの動きが不自然なような…、そこが細かいとこは気にしないように…というハリウッド製か。
「8mm」/落ち込んでる時、悩んでいる時…この作品を観ると、ますます暗い気持ちになる確立100%。ハイな時も気分いい時も同じかな。主人公の家族を削って、もっと普通のハードボイルドにした方が俺好み。
「欲望の街」/ 香港映画としてはガンファイトが少なめだが、マンガが原作というお話がおもしろいので「3」「4」と続けて観たい気になる。
「天使のはらわた 赤い目眩」/元マンガ家石井隆初監督作品、まだ日活ロマン・ポルノ時代のこの頃は映画としてこなれてないものの、近年の充実ぶりはマンガを捨てても惜しくないかも。
「逃げる天使」/Mr.FUCK野郎 D・ホッパーの監督作品にしては刺がないような。珍しく柔い。
「ペイバック」/ハリウッドに行ってからのM・ギブソンは「リーサル・ウェポン」シリーズのようにへらへらした役が多く、この作品も観たくもなかったが…、何と今回は渋く決めて作品もモノクロ・ブルートーンでなかなか俺好み。30年程前上京して初めて観た映画であるJ・ブアマン&L・マービンの「ポイント・ブランク」のリメイクだがブアマン版はラストが何ともカタルシスのない終り方。今回は前作になかったオチがあり、結構楽しめる。しかしJ・コバーンがしょうもない役で気の毒。
「富江」/伊藤潤二の原作マンガは未読、映画の出来は「何だかな〜」といった感じ…。
「残侠 ZANKYO」/主役の高島政宏は若き日の高倉健の雰囲気あって意外にいい。ビートたけしは回線がちょっと切れた感じのこんな役はぴったり。作品はやくざ偉人伝といった感じでペケ、たまに創られる任侠映画も佳作はここ数十年とんと現れない。ま、しょうがないですか。
♪「次は私が殺される」/名作「ミツバチのささやき」[1973年作品]の可憐な少女役だった女優が大人になって出演したスペイン製のサスペンス映画。あの頃の面影がかけらもないのはもはや2X年もたってるから致し方なし。スナッフ・ビデオが題材で先日観た「8mm」を思わせるが出来はいい。ラストも皮肉が効いてる。
「愚か者 傷だらけの天使」/ふわふわした青春映画、ちょっとこんなのにも飽きてきた。TV版のショーケンのやつはよかったけどね。
「裸の銃を持つ男PART33 1/3 最後の侮辱」/この馬鹿馬鹿しさは結構好き。
「風雲・ストームライダーズ」/声は吹き替えながら千葉真一圧倒的存在感!しかしCG風タイトル・シーンから「ん?」といった感じで、香港・中国映画の体術の凄さに圧倒されてきた者から観るとちょっとCGを使い過ぎの感を否めない。ま、おもしろかったから許そう。
「ナイトウォッチ」/「スターウォーズ」のI・マクレガI主演、タイトルがいいのでシュールなホラーものと期待したら、ミステリー風犯罪映画。平均点以下。
「無頼 人斬り五郎」/渡哲也&小沢啓一監督の名作を助監督だった池田敏春がリメイク。快楽亭ブラックがムチ・マークを付けてたので嫌な予感がしたが…、やっぱり師匠の顔に泥を塗るような出来ばえ。主演の北村一輝も好きじゃないな。
「バンデッツ」/刑務所でバンド結成、しかしひょんな事から脱走、そして送っていたデモ・テープをレコード会社が発売し、脱走女囚が一躍売れっ子バンドに!という展開、もっとおもしろくなりそうでもう一つはじけず。
「大怪獣東京に現わる」/怪獣映画における群集にのみ焦点をあてて怪獣そのものは一切画面に出ないという「ちょっと視点はおもしろいが出来はイマイチ」という評判だったこの作品、確かにその通りの出来…。ちなみに田口トモロヲが変な教師役で出ている。最近何かのCMで魚釣りしてるの見たぞ。
「ビッグ・リボウスキ」/コーエン兄弟の「ファーゴ」は今でも白い雪景色が印象に残る アメリカ映画には珍しく無常感を感じた作品だが、今回はまた渋い犯罪映画かと思いきや、ぞろぞろ出てくるキャラが頭の回線の切れたろくでなしばかりで、話も次の展開がまるで読めない位複雑に絡みまくったり、突然ミュージカル風になったりで何だこれは?…と思いつつ結構楽しめる。
「沈黙の陰謀」/S・セガール映画はすっかりアクションが少なめになって環境愛護作品に…。
「新・唐獅子株式会社」/以前日活で映画化した横山やすし主演の「唐獅子株式会社」は全く笑えないひどい作品だったが、本作も前田陽一監督が撮影中に亡くなりこれが最後の作品となるも、笑いもはじけず何とも食い足りない出来。
「次郎長三国志/荒神山」/シリーズ第九話にして最終篇。なぜか途中で終わってる印象。マキノ自伝によると第八話の石松が死ぬエピソードで終わる予定だったのをヒットに気をよくした会社に無理矢理創らされたらしい。
「おもちゃ」/深作欣二が今何でこんな作品を創ったのかさっぱりわからない。思うに「男の映画ばかり創ってきたから1度は女の映画を撮れるという事を見せておきたかった」位の理由しか浮かばない。言われなくても、深作映画の女たちはいつも魅力的、ちゃんと知ってるから、タランティアーノ&千葉真一との作品を早く創ってくれ、と私は言いたい。
「ワグ・ザ・ドッグ/ウワサの真相」/大統領のスキャンダルをもみ消すため架空の戦争をでっちあげるというお話、「ウイ・アー・ザ・ワールド」のパロディ部分は笑えるが、この手の作品は「博士の異常な愛情…」という名作があるのでこれくらいじゃ物足りん。シリアス&ブラック・ユーモアの配合も中途半端。音楽はマーク・ノップラー。
「コキーユ・貝殻」/快楽亭ブラックが去年のベスト・ワンに選んでいたので試しに借りてくる。監督が「櫻の園」の中原俊。同窓会で再会した男女が次第にいい仲になっていく過程でこれは最近「BJ」で隣の奥さんとの浮気話を描いてる中島史雄氏に推薦しようかと思って観ていると、ほとんど毒気のない素直な中年男女の淡い恋でこんなのをブラックがベスト・ワンにするわけがない、きっと衝撃のとんでもない結末が…と期待したもののノッペラボーなまま終り…。これじゃとても推薦出来ない。
「ロミーとミシェルの場合」/これもハイスクール以来の友人の女二人が、学生時代に馬鹿にした同級生に作り話で見栄を張るため故郷の同窓会に帰り…という実にあほらしい話。途中で観るのを止めなかったのを後悔。
ちなみに中島史雄氏は近年すっかり同窓会マニアになっているがダー松は一度も出てない…というかお誘いがない…というか行方知れず扱い…?
♪「ガタカ」/前から気になってた変なタイトルの作品。肌の色ではなく遺伝子で差別がおきる近未来もので…遺伝子的に劣る主人公が宇宙飛行士になるため他人になりすますが、殺人事件が起き次第に追い詰められていく…。 なかなか渋い出来で結構好き。
♪♪「ラウンダーズ」/ギャンブルものは人間の業を見せられるようでなかなか後味よろしくないものの、これはポーカー物で主演のM・ディモンはともかく廻りのM・ランドー等の役者がいい味出して楽しめる。特にE・ノートンは「真夜中のカウボーイ」のD・ホフマンばりに役になりきってて、これからどんな演技を見せてくれるのやら期待大。あとJ・マルコビッチがD・ホッパーの後釜は俺が貰った、とばかりのFUCK野郎ぶりを発揮。このホッパー&マルコビッチに加えてG・オールドマン、S・ペンそれに日本から内田祐也を加えて「FIVE FUCKERS[ファイブ・ファッカーズ]」という映画はどないだ?監督はD・リンチか北野武?
「コップ・ランド」/スタローンが演技派へ転進とかで観る気も起きなかったが意外に最後までおもしろく観る。
「バニシング・ヒーロー」/「ストリート・オブ・ファイア−」でさっそうと登場したマイケル・パレ、…以降はひたすらC級路線をひた走り本作もアクション場面だけ見ればいいか…と冒頭だけちゃんと見ると音楽の入れ方、演出に見るべきものがありこれはひょっとするとC級ではなくB級かも…とサーチで飛ばさずちゃんと見る。しかしやっぱりC級の出来。なぜパレがA級作品に出れないかというと…実は彼は…頭が悪いらしい…。
「タンゴ」/名作「カルメン」のカルロス・サウラ監督作品。今回も製作中のタンゴの舞台と作者、ダンサI、スタッフ等のドラマが同時に進行する構成。タンゴのあの「からみつくようなステップ」はなかなかにエロティック。しかし「カルメン」同様ラストがしまらないような…。
「マーキュリー・ライジング」/去年の「シックス・センス」同様、この‘98年作品もなぜかB・ウィリス、すっかり少年を助ける役にはまってますな〜。出来は、観てる間は退屈しない位…ってとこか。
「メイド・イン・ホンコン」/じめじめした気候、人口密度の異常に高い香港、のしかかる大陸中国…、この香港青春映画はかっての日本映画のごとく閉鎖感に満ちた出口なしのせつない作品。
「ベルベット・ゴールドマイン」/性を超越したグラム・ロックの世界を描いて、音楽ものは特に強い近年好調のイギリス映画…なれど、これは今イチ口に合わず…。
「レッド・バイオリン」/タイトルが何とも素晴らしい。血塗られたバイオリンの名器が時空を超えて持ち主を不幸に陥れるオムニバス風作品。この手の作品は拳銃や日本刀等を題材にして時折試みられるが楽器では初めて観る。観ながらバイオリンで責める場面は「斬姦狂死郎」で1回だけ描いたがバイオリンを弾きながらSEXする場面を描こうかなと思ってるとそんな場面が出てきてしまう。ま、いいか…そのうち描いちまおう。あとエロマンガでこういう構成の作品は見かけないのでこの構成もいただいて…、エロマンガならバイブレータIかな?ストレートすぎるか、ハイヒールにするか、性の魔力が込められた赤い靴…次々と様々な女たちの足を転々として…それをはいた女たちは皆淫らに堕ちていく…、ウ〜ン、クラシックなエロマンガ…。タイトルは「レッド・ピンヒール」でどないだ?
「サボタージュ」/「フリーマン」で初見参のM・ダカスコス主演のボディガードもので並の出来。ところで近年の映画のヒロインはまるで田島陽子みたいに口だけ活発で実に頭が悪い。この作品も同様で、昔のボギーの映画のR・バコールのようにクールで頭のいいヒロインはなかなか出ませんな〜。そのうちスクリーンの「かっこいいヒロイン」ベスト・テンでも書こうかな。
「断崖」/何十年ぶりかで観たヒッチコック先生の古典。クラシックながら随所に芸のさえが…。近年リメイクされるとの噂。
「からみ合い」/欲と欲とのからみ合い、最後に笑うのは…、最近ハリウッド製によくある悪女ものなれど、日本にもこんな悪女ものがすでにあったのか…と結構楽しめた1962年の小林正樹監督の作品。
「太陽を盗んだ男」/1979年作の長谷川和彦のデビュー2本目にして遺作になりそうな作品。原爆を創った犯人が要求するのはナイターの延長とローリングストーンズの来日公演。後者はその後、来日公演が実現したが野球の終了までの延長は民放ではまだ20年たっても実現せず。
「ヒーロー・ネバー・ダイ」/両足を無くし組織に見捨てられたなぎら健一似の男が自家製車椅子に乗って復讐に…。「スキヤキ」=「上を向いて歩こう」が哀愁をよぶ香港アクション映画、ダサいけどいけてます。
「エア・クラッシュ」/しまった!大外し!
「デュエリスト・決闘者」/近日「グラディエーター」を観る前の予習にリドリー・スコットのデビュー作を久しぶりに再見。H・カイテルがなぜ執拗に主人公に挑むのか最後までわからない。誰か解説してほしい。
「ロシュフォールの恋人たち」/高校の頃観た映画、深夜やってたので録画して今日ちらちら眺める。初めの方だけちゃんと観て途中からサーチで…。フランス製ミュージカルはおしゃれなれど退屈。
「ザ・ワイルド」/主演のA・ホプキンス、アカデミー主演男優賞をとった「羊たちの沈黙」を母親には見せてないそうな、この作品ならOKか?熊と戦う場面はなかなか楽しめるが人間ドラマの方が凡庸。
「ハードラック」/病院ミステリーかと思わせて、くせ者M・マクダエルがあっさり死んでしまい、そこから「ハロウィン」風「不死身の怪人」ものへ。怪人が天才的医者というのは変わり種、わりと拾い物か。
「ザ・ヒットマン 危険な標的」/同じ武道家&役者として環境映画創りにいそしむS・セガールを尻目にせっせとC級アクション作品に邁進するチャック・ノリス。C級好きなら一応満足出来る。
「セブン・イヤーズ・イン・チベット」/B・ピット主演なので毛嫌いして観なかったが割といい。チベットの風景も魅力的。映画で風景を見るというのも「アラビアのロレンス」以来楽しみだが、一度映画の中の風景場面だけ集めたビデオを2時間テープに2本編集してみた事があったが、意外と風景だけの場面は時間にして実に少ない事に気付く。120分の映画にせいぜい1分位かな。
「愛と哀しみのボレロ」/久しぶりに見たかったが3時間もあるのでラストのJ・ドンが「ボレロ」を踊る場面だけ再見。素晴らしい![ところでJ・ドンって死んだんだっけ?]同じ旋律が延々と繰り返され次第に盛り上がって行く「ボレロ」を聞くと昔エロ映画のsex場面でこの曲がバックに使われていた事を思い出す。
以上2000年6月まで
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