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泣ける映画ベスト・テン
泣ける作品がいい作品というわけではなく、単に観る人の涙腺を刺激する作品と言う意味で、当然こういう感性によるセレクトは実に個人的なセレクトにならざるを得ない。中島史雄氏は何と言っても「東京物語」がベストワンということで、笠智衆の顔を観ただけで泣けるそうだ。あの映画は年をとるに従ってどんどん泣けるようになるのかも。以下のセレクトはダ−松の1999年8月現在思い出した作品から急きょ作成。別の日に選べばまた違う作品を選ぶかも?くどいようだが泣けるからいい作品というわけではない。しかし、この中の何本かはまぎれもなく傑作!
順位は付けず思い付くままに…。
●風の丘を越えて〜西便制
めったに公開されない韓国映画の芸道ものというべき作品。芸のために薬で眼をつぶされた姉とその生活に耐えきれず逃避した弟とが、うらびれた田舎街で再会した一夜、二人がまるで絡み付くように唄い、奏で、恨[ハン]を超えるシーンはまさに感動的。中盤、家族三人がアリランを唄い踊りながら丘の向こうから画面の手前までをゆるやかな風のごとく横切るまでの長い長いワンカットも忘れ難い。
●血と怒りの河
子供時代に、国境を超えてきたメキシコの山賊に連れ去られ育てられた主人公ブルー。眼が「ブルー」のため同じ山賊仲間からも異端児扱いされ、再び襲った国境の街で暮らす事になるものの、こっち[米国]ではメキシコ人としてうとまれる事となる。メキシコとアメリカの間を流れるリオグランデの河で山賊と農民との両者が激突するクライマックスは育てた父を撃ち、その身体をかかえたまま河の真ん中で、どちらの側にもなりきれずに死んでいくラストシーン、バックに流れるギターの音色が実に悲しい…。
主役のテレンス・スタンプの役は最初ロバート・レッドフォードに頼んだらしいが彼が断わったそうで、よかった、よかった。
●哀愁
ビビアン・リ−とロバート・テイラーの戦争で引き裂かれる恋に、泣けに泣けるメロドラマ。何度観ても繰り返し泣ける。ウ〜ン、クラシック…。
●ひまわり
これまた戦争で引き裂かれる二人、あまりにも有名なヘンリー・マンシーニのテーマ・ソングを聞くだけで、ジーンときてしまいます。デ・シーカなら「自転車泥棒」も泣ける。戦後の貧しき時代、自分の自転車が盗まれ探しあぐねた父親がついに他人の自転車を盗み、わが子の前で群集に殴りつけられる。こんなやりきれない悲しい映画もそうはない。作品もそっちがずっと上出来。
●鉄道員[「ぽっぽや」にあらず]
イタリアからもう1本。これもカルロ・ルスティケリの定番映画音楽を聞いただけでもう泣く準備を…。ピエトロ・ジェルミの父親が亡き我がオヤジに似てるせいもあるかな。サンドラ少年をやった役者はもうじじい?
●母
同じタイトルの映画は数多くあれどこれはプドフキンの無声映画。「戦艦ポチョムキン」では泣けないがこれは圧倒的なモンタージュの力でラストは思わず絶叫してしまいそうになる。
 
さてこの辺で日本映画から
●異人たちとの夏
鶴太郎と秋吉久美子の両親とのエピソード、そして名取裕子のホラー的エピソードの組み合わせで、たいていの人が後者はいらないとの指摘に監督は「でもそれが無いと企画が通らない」との事。親が健在の人にはもう一つかもしれないが、そうでない人はこの映画を観たあとお墓参りに行く人多数、とか。亡き両親とすき焼き屋に行って別れるシーンは涙がボロボロ…止まりません。
●セーラームーンR
酒の席で、泣かせる映画は何といっても自己犠牲もの、やっぱり「セーラームーンR」でしょう、という意見に賛同。映画のラスト、セーラーチームはうさぎちゃんのために、ムーンは地球のために、その身を全力で捧げる、そしてうさぎちゃんは地球の母となる…。唯一の不満はエンディングで「ムーンライト伝説」が流れない事。
●タッチ/劇場版第1作「背番号のないエース」
TVで観た当時、ラストをビデオで毎晩毎晩続けて観た事がある。マンガとまるで違う仰天のラスト、死んだ和也のかわりになんと達也がマウンドに上がり…、いつも孝太郎[声=林家こぶ平]の「しまっていこうぜ〜!」のところで胸がきゅんとなる。原作も素晴らしい!
●火垂るの墓
これはいけません!反則です!2度と観たくない!
●マリコ
これはNHKのTVドラマ。再放送の時も観て、泣き過ぎて次の日、眼が腫れ上がり、痛くて痛くて仕事ができなかった思い出あり。これもテーマソング聞いただけでもう、きちゃいます。
●関の弥太っぺ
若き日の十朱幸代が可憐な娘役、昔世話になったやくざ錦之助を思い出す名場面には涙腺をわしづかみ!これで泣けなきゃ手前等、人間じゃねえ!と錦之助にたたっ斬られそう。
あ、ベスト・テンといいながらもう12本になってる!あとマキノ雅弘
「昭和残侠伝/死んで貰います」、加藤泰「瞼の母」なども泣ける。アメリカ映画が以外と少ない。古くはチャップリンの「街の灯」とか「エデンの東」、最近は「ET」?、「ゴースト」?、「タイタニック」?…、ウ〜ンもう一つだな…。あれ、フランス映画が1本もない。古くは「望郷」「禁じられた遊び」「シェルブールの雨傘」、あとR・アンリコの「冒険者たち」「追想」あたりがまあまあ…、メルビル、ゴダール、トリフォー、ルイ・マル…無いな〜、R・ベンソンには当然ない。イギリスは?D・リーンの「ドクトル・ジバゴ」位?何か忘れてないか?う〜ん…、また思い出したら挿入しよう。今日はこれ位で…。ちゃん、ちゃん。

他に何かいいのがあったら投稿よろしく。

9/9に来た早見純に意見を聞くと 
早「ペキンパーの『ビリ−・ザ・キッド』。」
ダ「あれ、泣くようなシーンあったっけ?」
早「撃たれた男が河まで歩いて行き…、ほら途中のシーンで…」
ダ「ああ、スリム・ピケンズだっけ、バックにボブ・ディランの曲が流れ…、かみさんの前で河を見つめて死んでいく…、ウン、あのシーンは良かった。名場面です。でも涙は出なかったような…」
早「あと『二十四の瞳』。木下恵介は泣けますよ。」
ダ「そういえば最近BS11でよくやってましたね。『喜びも悲しみも幾歳月』は観たけど…」
早「『陸軍』は泣かない奴は人間じゃありません。『日本の悲劇』はすごいラストでしたよ。」
ダ「しまった、みんな見損なった〜。」

ちなみに中島史雄氏は「東京物語」の小津作品以外は「エド・ウッド」、「バットマン・リターンズ」、中1の娘さんは「ポケモン」とか。
以下は投稿のあった宇治谷氏より
   
古い記憶から言うと、高校の頃、テータム・オニールの大ファンで、「ペーパーム
ーン」は10回以上観て、全部泣きました。「がんばれベアーズ」は5回くらい観て、
3回目くらいまでは泣きましたな。

 いつか成功を収める作家になってやると夢見ながら写植の切り張りをしていた編集
時代、「フェーム」は6回くらい観て全部泣きましたが、こないだ観たらそうでもな
かったです。やはり成功してからではダメかな。しかし成功してるのか?<オレ

 好きな女が出来たのに、辛い思い出を抱えていた彼女の前ではいい人の仮面をかぶ
っていた頃、「トッツィー」を観て腹を抱えて笑いながら、さめざめと泣きました。
公私ともになんか鬱屈していた頃、「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」を観て、
こんなに面白い映画を作ってくれてありがとう、という感謝の気持ちで泣きました。
やっぱりオレはハードボイルドに生きるしかないよなと決意を固めた頃、「グロリア」
はハートにずじぃんときて、少し泣きました。おかげで「レオン」では全然泣けなか
ったっす。

 まぁ、すぐ思いつくのはこんなとこです。あと番外編として、自分でも意外だった
のは「ウテナ」の最終回で泣いてしまったことでしょうか。今度、映画だけでなく、
泣けたテレビ番組という特集でもあれば、もっといろいろ言いたいことが出てくるか

  もしれません。




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