ダ−ティ・松本姦走史 1997年後期
同人誌・制作進行日記&何だ・かんだetc…
8月×日 夏コミ終った三日以内にもう冬コミの申し込み書を書かねばならず半日潰れる。何万人もの人をまとめなきゃいけないので仕方ないのかかもしれないが、どうしてこんなにコミケの申し込み用紙は繁雑なのか、頭が痛い。
8月×日 10月のレヴォリューションの申し込み締切り前日に、申し込み用紙がない事に気付きあわてて捜すが手にはいらず今回は断念。レヴォは近くのサンシャインなのでここのところ毎回出ていたのに大失敗。
8月×日 萩原一至の夏コミ同人誌「ワンダフリャ・カプコン」の打ち上げパーティに、描いてもいないのにお呼ばれで参加。きれいどころのコスプレ・ギャルが溢れ返って不謹慎ながら風俗店気分。同誌のグラビア撮影に400万もかかったと聞き、これでも同人誌?
8月×日 早くも冬コミ用同人誌制作にとりかかる。今回の『FUCK OFF!8』[以下『8』と略]はあえて今、「スプラッタ・エロマンガ」をぶちかまし、『エロス大百科・別刊2』[以下『別刊』と略]は「美少年SM」という献立の予定。冬用は期間が短いのでガンガン進めとかなきゃと、まず『別刊』の方から、イラストを何枚か描いてみる。仕事の合間に浮かんだイメージをどんどんラフスケッチ。いけそうな気になる。
8月×日 崇拝する村祖俊一先生より同人誌を送ったお礼のTEL。以外と元気そう。いつか同人誌で吸血鬼マンガの特集をするとき、氏の吸血鬼マンガの不滅の名作「妖かしのピアノ」をダー松めにリメイクさせてほしい、とお願いするつもりが言いそびれる。
9月×日 高取英がふらっと立ち寄り雑談。「すれ違ったマンガ家・1」で書いた花輪和一氏は懲役3年の実刑判決で服役中との事。多分模範囚だろうから2年位で出られるだろうし、そろそろ出所では。でも「ガロ」はもうない。
9月×日 「美少年SM」とりあえず「セラムン・キャラ」で出だしを描いてみる。うん、ポコチンいじめは新鮮でなかなかおもしろい。アイデアがポコポコ浮かんできてのってくる。しかし「やおい」とはちょっと違うような、「ショタ」でもないし、「両性具有」と「女王さま」もののミックスと言うべきか、まだ出来てみないとわからない。己の股間の命ずるままにペンを走らせる。
9月×日 中島史雄氏よりTEL。フランス書院・コミック文庫の『少女水中花』の中の「FUCK CITY 2006」にお褒めの言葉。「自分にリメイクさせてほしい」とはシャレだろうが、最後のセリフは「ラーメン食わせろ」?今回は乱丁もなく無事出来てほっとする。内容もハード・エロ劇画風あり、ファンタジーものもあり、お笑い、シリアス、レディス・コミック風等々バラエティにとんだ作品集となる。
9月×日 「漫画ダイナマイト」の元編集の津田よりTEL。同人誌の「ダーティ・松本25年史」読んで、「これはお前の遺書かと思った」などと言われてしまう。馬鹿もの!あれはウォーミングアップの記録じゃ!
9月×日 TVで「トップをねらえ!」放映。ラストシーンをもう一度観たくて録画セットしていたのに、熊本の誘拐事件のニュースが途中で挿入され肝心のラストが録れてない!もとネタの「エースをねらえ!」はお気に入りにアニメで、遠い昔雑誌で2回ほどひろみ&お蝶夫人をずこずこ・・のテニスものを描いた事があるが、同人誌でもいつかまたやってみたいもの。
9月×日 8月に2回満員で無駄足を踏んだ「もののけ姫」、3回目にしてやっと観れた。今までの宮崎アニメのエッセンスがつめこまれていて、引退作品にはふさわしいかも。
声は美輪明宏が圧倒的、田中裕子も及第点、森繁は何言ってるのかわからん、セリフ不明瞭。ま、そういう役だけど・・。
9月×日 首斬りFUCK野郎一人に振り回される世間も情けない。バモイドオキ神ならぬ「神の首斬り」も宮崎ブランドなら、世間からいいがかりもつかないものだが、『酒鬼薔薇』のせいで公開延期になっていた「スクリーム」を観る。犯人は勘で当たったがちょっとアン・フェア。殺しのシーンは意外と激しくない。まさかカットしたんじゃ?ホラー・マニア向けのセリフが頻繁に。
9月×日 新宿の酒場、高取英と中島史雄氏15年ぶり位で遭遇。お互いの白髪化と肥大化に驚嘆!編集も交え終電近くまでよからぬ密談。来年は幼女ものが法制化で描けなくなるみたい。ロリーマンガ描いてる人はどんなに幼顔でも20歳の女と言い張るべし。
9月×日 さいとうプロOBの田中氏から5、6年ぶりにTEL。現在日本でのディズニーのキャラクター商品の絵を描いたり教えたりの仕事。上手く描ける人はなかなかいないらしい。やまさき拓味氏と親しいので聞いてみたら、氏の描く競馬マンガで馬はほとんどアシスタントが描き、本人は馬の眼だけ描いているとの事。
9月×日 田中氏も近年足に激痛が走る奇病に悩まされ、トイレに行くのに30分もかかり泣きたくなるような事もあったそうだが、当方も夏コミ後、腰痛で這って歩くような事が2回もあり、ちょっと運動しなくちゃとここのところ週一回はプール通い。いつも隣の公園の捨て猫が「貰ってくれよ〜」といった感じで寄ってくる。我が家の猫の遊び相手に一匹位拾って行こうかとも思うが・・・。ちょっと不憫・・。
9月×日 「美少年SM」どんどん調子が出てきて同人誌だけではとても描ききれない、と『ホリディ・コミック』の「斬姦狂死郎/第二部」にも「ポコチン・ピアス」等を挿入。読者より復活のお祝いとともに今回のかおる先生はどうも違う、と苦情のお便り。12年も間があくと絵がずいぶん違っても仕方ない、と居直って学校の制服までミニスカ・セーラー服に変えてしまう。これでいいのだ!
9月×日 牧村みき、ことエル・ボンデージ氏と10年ぶり位の再会。「たけしのオールナイト・ニッポン」の録音テープを100本近く借りる。「北野ファン・クラブ」のトークは98%位録音してしょっちゅう聞いているが、「オールナイト…」は10本位しかないので実に有難い。借りたのは終る3年前位からのテープでそれ以前のを持っている方はぜひ連絡を下さい。お礼するよ。
9月×日 東上線で志木の先のおかもとふじお宅へ初訪問。志木を通る時、我らがチーム「エイリアンズ」が昔ここで沼田清[故人]氏や玖珂みのを[=伊万里すみ子]氏等と草野球をやった事を思い出す。おかもと宅でMAC、帰りに隣の駅のJITAN氏のとこで98の講義を受ける。パソコン買うのは今回の同人誌が終ってからだな。
9月×日 新宿にあった編プロが九段に引っ越し、原稿渡しと引っ越し祝いを兼ねて来訪するとホテル・グランドパレスの前のビルに社員とMACが10倍に増えている!社長は「通帳がすっからかんだよ〜」と言うが、いったいどこでそんなに稼いだのか?と首をひねる。
10月×日 我が巣鴨の隣の駅に住む永山薫氏宅に初来訪。2号で潰れた新刊エロマンガ・ガイドブック、EL会推薦雑誌「コミック・ジャンキーズ」が12月復刊との事でまずはめでたい!今回は同人誌情報が多いとの事。ショタ本、やおい本等いろいろ見せていただき大いに勉強になる。進行中の我が同人誌とはどうもちょっと違う感じ。ま、いいか。自身のポコチンの命じるままに・・。
10月×日 宝塚ファンの早見純から「ウテナ」のCD借りる。シーザーの音楽素晴らしい。新エンディング曲もいい。身の廻りで「ウテナ」を観ている人は実に多いが視聴率は3〜6%とは悲しい。しかし映画化されるらしいので期待大。
10月×日 来年創刊の『ふにくクラブ』用の屍姦マンガ「漂う」脱稿。死体姦専門マンガ誌など、とても売れるとは思えないが、エロマンガ誌の幅は広がるかも。エロなら何でも品揃えありのダーティ・マーケットでも描いたのは持ち込み時代の「デビル・ジョー」で妹の性器をマグナム銃で打ち抜いてのファック以来。もっとグロになると思っていたが出来上がってみると人形愛的な何とも美しい仕上がりで、これじゃビューティ・松本だ。
ところでこの本には、何とあの「佐川一政」が人肉食いの体験マンガを描いているという!これからは手記を活字ではなく、マンガで描く時代に?
10月×日 話題の「コミックGON!」の創刊号を買う。すごい情報量でこりゃ編集は大変だろうな。内容は何を今さら江口寿史にインタビューしても・・・・と思うがベクトルが全て後ろ向きの雑誌みたいだから仕方ないか。取材に来たという「レモンピープル」特集はなぜかボツになっている。「ビッグサイト爆破計画」は「爆弾を仕掛けた」というTEL1本で30万人の夢が吹っ飛ぶ事を思えばシャレにならん。それにしても30万人集まるイベントとは伝説のロック・コンサート「ウッドストック」並みだが、何十年に一度ならともかく20年近くそれも年に2回づづ続いているのはまさに驚異だ。弾圧、妨害等で様々な圧力がかかるコミケで同人誌創って溜まったガスを発散して「酒鬼薔薇」にならずに済んでいる奴、おかげでそいつに殺されずに済んでいる奴、合わせて少なくとも50人は救われていると思っているダー松としてはこのシャレ笑えない。
10月×日 珍しく一日に二人の来客。昼はデビュー当時「漫画ボン」でお世話になった画報社の添田さん。「少年キング」「漫画笑ルーム」を経て現「ヤング・コミック」編集者。一時は月2回刊になったが現在は再び月1刊行にもどり「若者は精子の数が減っている!」と何処もHマンガ誌は景気悪いみたい。景気といえば夜来た新谷氏はかって海潮社「快楽セブン」の編集長、現在「ベルダ」なる政治経済誌の編集長だが、「上野公園は今やイラン人じゃなくて日本人のホームレスばかり」「電車で熱心に新聞読んでる奴は求人欄読んでる」「代々木公園で上品なおばさんがゴミ箱から弁当あさってダンボールの中で食ってた」等々、「来年は大不況になる!」と散々悲観的展望を語り、「タイソンvsホリフィールド」のビデオを持って帰る。どうもおじさんは愚痴が多い。
10月×日 「斬姦狂死郎」第一部の単行本が久保書店MAXシリーズより’98年1月末に出る事となり、締切りが同人誌と同じ頃で、雑誌の締切りも年末進行で3つ同時期に上げなきゃならず「8」と「別刊」の2冊はどう考えても無理。タイムリーなスプラッタ・エロマンガは断念して、50ページ程出来た「美少年SM」を優先して「8」と「別刊」との合体本という苦肉の策。「YAT」も入れたいし、「ウテナ」のウテナ&アンシーのからみも描きたいし100ページに収まるのか?
10月×日 近所で月触歌劇団公演。久しぶりに観に行き、入口でシーザーのCD「身毒丸」を買う。[昔、紀伊国屋ホールで観た芝居の実況録音盤、シーザーの音楽は絶品。]珍しく椅子のある劇場、しかしお尻が痛い。終演後、中日の打ち上げで酒、寿司ご馳走になる。ロウソク付きのケーキによる団員の誕生祝いで盛り上がり、今時珍しく共同体もどきをかいまみる。役者として出演中の若松孝二監督と雑談。次回作は田中陽三脚本で「痴人の愛」との事。藤田敏八、神代辰巳等が他界する中、若松監督6×歳、まだまだ現役で活躍中!なのにもう知らない人が多いのにはびっくり。ピンチヒッターで監督した「エロチックな関係」でたけし、内田裕也、宮沢リエ等の猛獣使いが出来るのはこの人だけ。ピンク映画時代は「セックス・ジャック」等傑作ぞろい。以後は内田裕也との「水のないプール」など必見。
10月×日 秋のアニメは大量の新作なれど続けて観たいのは「ベルセルク」「コジコジ」位。特番で「ドラえもん」を生まれて初めて観る。「VIRUS」は「エヴァ」の悪い影響を受けた最初の作品と言うべきか。
10月×日 マンガ家の過少申告が職業別でベスト7位にはいる。「国家を潰すにゃ刃物はいらぬ。納税者が税金払わなきゃ革命抜きに一日で潰せる」といったわけで、なかなかマンガ家も頑張っている。こんな腐った国にきちんと税金を払うのはもはや犯罪の共犯者と言うべし。税務署とは生涯闘い続けて、少しでも払う額を削る努力は心ある人の努め、特に日頃から殴られているエロ文化の担い手は自分を殺そうとしている相手にすすんで金を恵んでやる必要などかけらもない。チャン♪チャン♪
ま、昨年と今年はマンガ家集中狙い撃ち年間だったろうし、無防備だった人も一度叩かれると賢くなって免疫も出来るだろうから、来年以降は間違いなくベスト20位からころげ落ちる事だろう。それにしても税金問題に関する報道は、すっかり国税局のPRと堕して情けない。
10月×日 最近の格闘技/Wリングスは田村の試合のみがおもしろい。W高田ーヒクソン戦は大方の想像通り高田の完敗。最初からすっかり腰が引けてて、そんなに相手が恐けりゃ最初からやるなよ。田村ならもうちょっとはやれそうだが・・W同じ田村でもヤワラちゃんは世界柔道で金メダル。しかしオリンピックで金メダルを取るまで止められないってのは何だか4年の懲役刑みたいで辛いところ。Wフグを右フック一発で倒したフリオの強さは本物か?来月のK−1は楽しみ。
10月19日 サンシャインの「レヴォリューション」へ、今回ちょんぼしたので次回の申し込み用紙を取りに行く。バスで7分の近場。おかもとふじおも「桃色娘町」の締切り間際なのにふらふらやって来る。段々締切りにルーズになってきた?冬コミは「おたふく亭」のサークルで久しぶりの同人誌、今時珍しい「ラムちゃん」本との事。時代は終わってもやはりキャラへの『愛』ですね。こちらも「セラムン」本を3冊買って、編集者も交えて酒場へ。前回ご一緒した『マンガ防衛同盟』の西形氏は別の飲み会へ。「レヴォ」では終わる前の2時間しかいなかったのでちょっとしか見れなかったが、「セラムン」本から「ウテナ」本へ移ったサークルが結構多し。かなり廻った人の話ではゲームキャラのH本が多かったとの事。出版社には同人誌アンソロジーの「さくら大戦」ものへゲーム会社からクレームが多く絶版にさせられた会社もあり。
10月×日 安室奈美恵結婚のニュース。安室は「漂う」のラストのオチに使ったけど・・・・タイムリーと言うべきか。『ふにくクラブ』は原稿が集まらず年内刊行は無理みたい。内山亜紀氏が安室ものを描いたら、編集部に「こんなマンガを描かないで下さい!」と安室ファンらしきのから抗議のTELがあったそうな。他社でも時々あるらしい。
10月×日 SM小説家・館淳一氏より文庫本をいただく。氏はインターネツトでこの同人誌を紹介してくださっていて感謝!いつか氏の許しを得て館作品をエロマンガ化したいもの。
10月×日 「狂死郎」の単行本化のため原稿の整理、と思って出版社に原稿の返却をお願いしたらなかなか見つからず焦る。一週間捜して貰っても出て来ずこりゃシャレにならん、と自宅を3回目のチェック。すると何と埋もれた原稿の山の下から現れて、会社で捜してくれた編集者に申しわけない事を・・・。今回の原稿渡す時にケーキでお詫び、実にバツが悪いッス!
それにしても12年前の原稿は手直しの仕様がない。ま、この頃の絵が好きな人もいる事だしこれはこのままで、エロ場面を描き足し、描きおろしを少々加え[大丈夫か?]、あとはおまけで映画の予告編みたいなのを一度マンガでやってみたかったので第2部の予告編を加え、前回「放課後の熱い祭り」でストリート・ファイト映画ベストテンをやったので今回は時代劇映画ベストテン、そして読者コーナーという構成でやってみようと計画。すっかりこっちも同人誌っぽくなってきたような・・。しかし時間あるのか?
10月×日 なぜかメディアワークスより「日本一醜い親への手紙」なる本が送られてくる。以前インタビューにみえたライターの今一生氏が企画編集した本との事。内容は少年少女時代から親からうけた様々な虐待への恨みつらみが100通の手紙としてしたためられていて、寝る前に30ページほど読んでみたがかなり寝覚めが悪い。翌日、一日中頭にしこりのように残り全部読んだら相当重いものが残りそうで辛い本。子供を持つ親が読んだらどう思う事やら。どのエピソードも強烈過ぎるのでたぶん「こんな特別な親と子がいました」的にとらえられそうな気がするがどんなものだろう・・・?
10月×日 ウテナとアンシーのからみをポコチンつきで描いてみる。前号のアンシーは黒っぽくなかったので、今回は白黒を強調してのからみで、結構そそる。出来ればもう一回描きたい。ついでにアンシーとジュリも描いてみる。これからは黒人女を責め役としてどんどん出してみたくなる。
10月×日 今回のリクエストマンガとして「YAT」の桂さんをやっと少し描く。顔は亜美ちゃんぽい。何人かに依頼の手紙を出す。リクエスト・合作マンガ、当方はハードエロ劇画風に…。
10月×日 もと『JUNE』編集長佐川氏にインタビューのため10年ぶり位でサン出版へ。いつの間にか自社ビルが2つも建っている。すぐ近所に創出版があり『ガロ』の残党が『マンガの鬼』を創っているらしい。あんな雑誌は日本に1冊位あってもいいと思うものの2冊はいらないな。桜木の『さぶ』兄ぃは相変わらず元気いい。入社時ぽちゃぽちゃ可愛かった『アムール』の水野編集長はすっかり白髪のおじさんになったと聞き、逢いたかったがあいにく不在。いただいたレディス・コミックの『アムール』をめくってみると、かってのエロ劇画誌もかくや!という位濃い!それも3倍位は濃い!何でも編集長自ら週に5日泊まり込みで、擬音、喘ぎ声、飛び散る汗等々を描き加えているという。おいおい、そんな事して大丈夫か?そんな編集長どこにもいないぞ!それにしてもほとんどお病気状態のこの雑誌、女性読者20万人以上が見てるとは?!まいっちんぐ!
同社で、かって同じレディス・コミック誌でも描いていた坂本未明嬢と初遭遇。ライターとしてもバリバリとばす超エネルギッシュな彼女、何とも超ハイテンション!
帰りに新宿の酒場で久しぶりに小野寺コージ氏と同席。中島史雄氏のアシスタントから独立し、『少年キャプテン』はなくなったものの仕事どっさりで売れてます。彼がエキストラで出演した『ゼイラム2』の雨宮慶太監督作品『タオの月』には期待大!それにしても森山祐子はあんなに素敵なのに雨宮作品以外は見かけないのはこれ如何に?と同席者共々首をひねる。
11月×日 この文章を含む満杯寸前のフロッピー・ディスクが突然書き込み不能となり、打ち込んだ文章が全て出てこなくなる。コピーを創ってなかったので困り果てて何人かの知人にTEL。「そんな事はいまだに一度もない」「そりゃもう使えん」「諦めろ」等々、皆冷たい言葉。また全部打ち直す労力を思えば、まるまる何日潰れてしまうのか?と目の前が真っ暗になる。
11月×日 秋葉原までワープロ抱えて修理の依頼。本体は買い替えればいいが肝心のディスクは?呼び出し不可なので他のディスクに内容を移すのに2週間、15000円位かかるとの事・・・ま、いいか。今は時間の方が大事だ。ほっとして帰りに同人誌専門店をのぞく。「エヴァ本」減って「ウテナ本」多し。11月×日 13巻まで読んでストップしていた「花のあすか組!」を何年ぶりかで17巻まで読む。[戦・23篇]おもしろい。続きを見たくて本屋で捜すがとうに置いてないので高島平のマンガ喫茶で続きを読む。ついでにマンガの「ウテナ」も見て、こういう時は実に有難い。最近は新宿で時間が空いた時はそこのマンガ喫茶で「ドカベン」をコツコツ読んでいて、現在14巻まで。いまだ地区予選。甲子園は第何巻からだ?何しろ柔道部篇が長かった。
11月×日 『アムール』を早見純に知らせたら今日来宅し、「ひさしぶりでマンガでぬきました」との事。昨今は男どもは去勢化、女たちはどんどん淫乱化?この本の異常なレイアウトはデザイン雑誌でも紹介されたらしい。大ファンの山岸涼子さんのマンガを2冊とJ・プリーストの新作CDを貸して貰う。ジューダス復活初アルバムだが新メンバーがなじむのにあと数枚必要か。「ウテナ」をなぜ半ズボンタイプで描かないのかとクレームをつけられるが、レオタード・フェチの小生はこの点に関してはうるさい。半パンタイプのスパッツやレオタード、タイツ撲滅委員会名誉総裁のダー松としてはこのタイプは脚が短くみえて魅力が薄れる、として絶対描かないのだ!
11月×日 「K−1」フリオの強さは本物だった。VSホースト戦の緊迫感は凄い!
11月×日 25周年記念号でお祝いイラスト&コメントをいただいた滋賀在住の沼沢紀子氏よりお手紙。両手を縛られヘアをボンドで貼り合わされた2人の少女が、悪戦苦闘の末身体を引き離す時相手のヘアを沢山引きちぎった方が勝ち、という「ヘア女斗ショー」ものを描いてほしいというリクエスト。それも「闇の淫虐師」を興行主に、現在脚本執筆中との事。読者からもバレーボールの選手をずっこんとやってほしいとか、いろいろとおもしろいリクエストもあり実現したいのが沢山あるものの、何しろ描きたいのが目白押しで、その合間に何とか挿入していきたいもの。皆様気長にお待ち下さい。
11月×日 エルボンデージ氏よりはやばやと原稿送ってもらいお礼のTEL。秋のアニメはろくなのがないと嘆く。描いて貰った瞼に針のアイデアはD・アルジェントの映画より。自分の娘をヒロインにしてホラー映画の中でいじめまくるとはアルジェントはちょっと危ない奴、とひとしきりアルジェント談義。作品は出来損ないばかりだが[「フェノミナ」は唯一まとも]、殺しの場面に異常にこだわるところが廻りにマニア多い理由か。
11月×日 そのイタリアからF・プランドーニ氏が久しぶりに来日してTELしてくる。現在マーベル社の本の仕事をしていて何年か前のインタビューをやっと活字に出来るとの事。韓国まで行ってインタビューしたマンガ家のも今度どうにか本に載せられるという事で、当方はもう何喋ったか忘れてしまったが・・・。「エヴァ」はヨーロッパはなぜかダイナミック・プロが扱っていて、TV版を数話紹介したら話がわからんとか、絵が好きじゃないとかであちらでの評判はもうひとつらしい。アニメの買い付けも今はいい作品がないというので「ウテナ」を推薦すると、何と彼も天井桟敷時代からのシーザーファンで「身毒丸」「国境巡礼歌」のCDを持っているとの事で、シーザーのBGM風CDがほしいとは同感。イタリアでは「ベルばら」はヒットしたらしいので「ウテナ」も当たらないものか。
11月×日 内山亜紀氏より原稿届く。氏の描く桂さんなかなか可愛い。お礼のTEL。最近の趣味である少女マンガの投稿は一時中断して、現在は少年マンガの投稿原稿を執筆中との事。どんなのが出来るのか?
11月×日 TV「トゥナイト」で『こんなにすごい同人誌特集』などやっている。TVなどで取り上げられるとろくなことはない。遠い昔「11PM」でエロ劇画が取り上げられたら半月以内に発禁になった苦い記憶が蘇る。サークルの皆さん、TV等のマスコミの取材は極力お断わりしましょう。
11月16日 仕事中断しサッカー代表決定戦見る。一度逆転された時はワールドカップの壁はかくも苛酷で高いものかと痛感。しかしVゴール方式での決着だったので、ロスタイムでひやひやしなくて済んでよかった。ここ何回かのワールドカップは全試合を見る、というワールドカップおたくを続けているので来年は6月から仕事にならん。もちろん野球も長島監督になって以来全試合観る事が義務づけられているので来年はスポーツづけの日々なり。長野オリンピックは興味なし。 ところで最近のサッカーボールはマンガ家泣かせで実に面倒。昔のボールの方がずっと描きやすかった。サッカー・マンガを描いてる人のアシスタントはボール描くのにかかりっきりなのでは?
11月×日 今週から1週間刻みでひとつづつ締切りを設定し、上げていかねばならない状態となってしまう。今週は同人誌。次が雑誌。12月半ばが単行本。それが終われば1本描いて仕事納め、の予定。色着けは大の苦手なのでずっと後廻しだった同人誌用の表紙をやっと描く。いつも本のタイトルが愛想ないので前回から号ごとにサブタイトルを付ける事にしたが、今回は「聖少女黙示録」に。これは以前初めて描いたポコチンこすりあわせの美少年マンガのタイトルをそっくり流用。
11月×日 宝塚観覧に誘われるが、まるで無理。
11月×日 タイム・リミット近し。今回もJITAN氏の「オカズ評論」はいらず。原作の仕事が忙しいみたい。伊魔崎斉氏も連絡とれず。
11月×日 ワープロのフロッピー又いかれる。しかし今回はコピーを創ってあったので大丈夫。マンガの原稿はほぼ出来上がる。
11月×日 たけしのラジオ復帰番組「ビートニックラジオ」を聞く。月一ながらこれから楽しみ。
11月×日 佐川氏のインタビュー文の手直しFAX届く。TELすると「ベルセルク」を絶賛!コミケのやおい系同人誌でも人気出そう、との事。アニメの方も頑張ってはいるものの、大幅ダイジェストなので、近年珍しい劇画風描き込みの原作マンガの迫力には遠く及ばず。宮谷一彦、ふくしま政美、榊まさる、宮西計三氏等の超描き込み派は一本の作品に放出するエネルギーの量が常人には計りがたい位の凄まじさで、10年以上そのテンションを持続させるのはなかなか困難なのかもしれない。三浦建太郎氏には完結まで何とか今のボルテージで描き続けてほしいもの。
11月×日 締切り2日前、なんとかゴールが見えてきた。この本が片付いたあともう一働きして今年も終わり。旅行ひとつせず、マンガを最高に贅沢な遊びとして、ただひたすら「純エロマンガ体」として描き続け、ハイテンションの日々を送った今年だったが、もう死ぬまでこのテンションが持続しそうな、そんな気分の昨今…。
12月×日 MACを買いに秋葉原へ。おかもとふじお&その友人の藤井君が付添いで、良さそうで出来るだけ安く売ってくれるところを捜し歩く。今時MACを買うのはビデオでベータ・マックスを買うようなもの。しかし教えを請うためにはマンガ家はなぜか、たいていMACを持つている人が多いため。プリンター抜きでトータル45万位で仕入れる。
12月×日 冬コミ。イタリア帰国前にプランドーニ氏が訪ねてくる。ラムちゃん本があったらほしいと言うのでおかもとふじおの「ぬきぬきラムちゃん」を差し上げる。この本、結構好評だったらしく「続けて出してね〜」と購入者から激励を受けたそうな。第2弾の夏コミ用はダー松も3ページ程描いております。前田俊夫氏とも遭遇。アニメの仕事、西崎倒産のあおりで2000万円ほど取り損ない、すっからかんになり来年3月より月5本マンガ描くとの事で、3年もマンガ描かずにいてよく急にそんなに描けるものだと感嘆!名作と誉れの高い「血の罠」の復刻をお願いすると「以前出した時もすでに原稿なかったんですよ。ぼくはもともと原稿の保存悪いもので…」との事。終わったあとは新宿で忘年会、15人位集まり酒かっくらって今年も終わり。
来年はMAC元年に!