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ダー松の映画三昧の日々・その1  1999年〜
ちなみに♪マークの作品はダー松の特別お気に入りの作品

タランティーノの「ジャッキー・ブラウン」をやっと観る。何とも渋い出来。R・デニーロもM・キートンもあまり見せ場なし。あの電話さえかかってこなかったら…というラストがまたまた渋い、しかし『110番街交差点』がまた観たくなった。物凄いアクション!ラストの素晴らしいカメラワーク、ブラックムービーの傑作だがビデオも出ないしTVでもここのところ放映してくれない。
「ドーベルマン」 早見純がつまらないと言ってたが、途中の銀行強盗あたりまでいいが確かに後が腰砕け。
「天国の日々」や後日みた「地獄の逃避行」で感激したテレンス・マリックの「シン・レッドライン」を観る。兵士の点描はあってもほとんどドラマらしいものもなく、戦争をまるで地球のいとなみの一部のように描かれる希有な『戦争映画』、というよりもはやその範疇も超えたような映画。珍しく朝7時に起きたせいか途中15分位寝てしまいました。実際ちょっと眠い映画……。
「NY検事局」相変わらずシドニー・ルメットは渋くていい映画を創っています。かなり前の「旅立ちのとき」も好きな映画。
「X」、何だか「幻魔大戦」みたいだなと思って見ていると監督もりんたろうだった。絵はよくはいっているものの、もうこんなのは食傷ぎみ。
「金田一少年の事件簿/上海魚人伝説」、腹がたつ位つまらない。
「ジャッカル」は名作「ジャッカルの日」に遠く遠くおよばない出来。
「乱れ雲」今では絶対通らない企画、撮れる人もいない、実にクラシック。
「ボルケーノ」昔のパニック映画を今の特撮技術で「ER」風にエピソード、キャラてんこ盛りで…しかし満腹感65%…。
「奴等に深き眠りを」は黒人版「ゴッドファーザー」。役者ががんばってて結構おもしろい。
「タオの月」期待はずれ。森山祐子も「ゼイラム」の時より魅力なしでちょっとがっかり。
「遺産相続」ばかばかしくなって途中でやめる。
「2/デュオ」たるい。
「まむしの兄弟」今回は柳葉敏郎版、文太&川地版がなつかしい。
「東京夜曲」一箇所だけおもしろいシーンがある。いい年したおっさん、おばさんがTV画面の若い頃の石橋蓮司を観ながら「レンジ…昔ぬいぐるみショーに出てたんだって…」「レンジ…水戸黄門にも出てたよ…すぐ殺される役で…」、実際、石橋蓮司を観ながらこんな会話してる男女がいたらおもしろいけど…。
「殺し屋のバラード」は以前BSで観たがラストのセピア調の画面でのアクションはいける。
「JOKER/疫病神」新味ゼロの何百回も観たようなやくざ青春映画。しかし萩原健一のやくざとラストの潰れた文芸座[近年復活]内での銃撃戦が一興。30年前オールナイトで毎週通い、1年の1/7はここで過ごしたようなもの。昔は儲かったら名画座を買って晩年は1日中映画観て過ごそうと思ったものだったが、結局儲かりもせず夢は実現せず、まさかビデオで映画が観れる時代が来ようとは当時思ってもいなかった。
「スポーン」/アメリカン・コミックの映画化。ハリウッドお得意のCGをふんだんに。炎やマントのひるがえる様がかっこいい。「スーパーマン」「バットマン」以来アメコミの映画化は多いがダー松の好みは「ディック・トレーシー」。あの色彩感覚は見事!それを100とするとこれは満足度65位の出来。
「cat,s eye」こちらはジャパニーズ・マンガの映画化。こっちも日本得意わざのアニメでスタート。しかしいいのは冒頭のこのアニメの部分だけ。内田有紀、売れる前の藤原紀香等のボンデージファッションが見もの、それ以外はチープな「バットマン」というか「キャット ウーマン」。林海象監督には不向きな素材だったかも。日本の制作者は地味なマンガはともかく、マンガの映画化は実写の3〜5倍の金をかけねばならぬ!という事を肝に命ずべし! 

♪「RONIN」は2転3転する展開、派手な銃撃戦、強烈なカー・チェイス、おまけにカタリナ・ビットのスケートまで観れてお腹いっぱいのJ・フランケンハイマー「ブラック・サンデー」以来、実に20年ぶりの快作!「大列車作戦」のような大傑作を撮っていた人が、ある日から20年間「グリズリー」のような駄作を連発、今回「フレンチ・コネクション2」でカーチェイスの撮影許可が出なかった事へのまるでリベンジか、特にハイウェイを2台の車が逆走しながらの撮影はさぞや大変だったのでは。 誰にでも不調の時はある。こうした復活はファンには嬉しい限りで、「エイリアン」「ブレード・ランナー」で狂喜させてくれたR・スコットも以降すっかり不調で「GIジェーン」に至っては、アクションシーンの画面をブレさせて迫力を出そうとする、まるで素人のようなやり方には唖然!ヴァンゲリスと別れたのも大きいのか?

♪ チョウ・ユンファの「リプレイスメント・キラー」をレンタル。ジョン・ウーばりのシャープなガン・ファイト!ユンファの2丁拳銃乱射を久しぶりに堪能。早くウー&ユンファの映画が観たい。
前から観たかったジョン・フォードの遺作「荒野の女たち」をやっと観る。原題「7 WOMEN」が出るとエルマー・バーンスタインの爽快な音楽とともに荒野を馬群が疾走!「お!J・フォードタッチ!」とわくわくしていると、あとはほとんどセット内で珍品というべきドラマが展開される。フォードとしてはお世辞にも上出来とはいえない作品だが、[のちのミセス・ロビンソン]アン・バンクロフトのヘビー・スモーカー女医がなかなかかっこいい。それにしてもJ・フォードの長い長い映画人生の最後の作品の最後のセリフが「あばよ、クソ野郎!」とは!ダー松も最後の作品は「FUCK YOU!」で締めくくりたい。50年先だけど…。

「黒の天使 vol.1」/石井隆監督、初期の作品は固かったが、すでに十数本目の中堅監督だけに十分こなれてちゃんとおもしろい映画になってる。低予算、悪条件の中、これだけ創って貰えれば当方満足。ヒロインはがなり過ぎだがよく動いていてまずは合格。
「次郎長三国志」、このままずっとこの世界にひたっていたい位だが全8話を残念ながら観終わってしまう。久し振りに観ると、あれこんなものだったかな、と思う作品も数多くあるものだがこれは今観ても十分マキノ宇宙を堪能出来る。特に最後の7、8話はゾクゾクする素晴らしさ!こういう共同体を描けば天下一品のマキノ雅弘自伝「映画渡世」を読み返すと昭和28年のこのシリーズ、途中登場の加東大介は次郎長一家のレギュラーになる予定だったのに、あの「七人の侍」に出演が決まり会社から殺すよう指令がでたとか、2本同時に撮って役者は1本半分の出演料だったとか、東宝もひどい事やってたんだな〜。
「フェノミナン」/「パルプ・フィクション」で復活したトラボルタ主演のちょっとした拾い物。後味よろし。
「マイケル」/これもトラボルタ主演のなぜか近頃ハリウッドで流行りの天使もの。吹き替え版を仕上げしながら観たせいか、いかにもハリウッド製、といった感じの食い足りない出来。
帰り道にレンタル・ビデオ店があり、仕事一段落したので前から借りたかったD・アルジェントの「スタンダール・シンドローム」を。今回は「トラウマ」に続いて自分の娘を主役にサイコ風ミステリー。前作にはなかった殺しの美学が1箇所だけ、左の頬から撃ち込んだ弾丸が口の中を通って右の頬から出ていくスローモーション・カット!ここが白眉だが全体的には平均点の出来で最近はホラー映画の巨匠J・ロメロとともにアルジェントはちょいと不調気味。またゴブリン・サウンドとともに「フェノミナ」みたいのが観たいもの。
「沈黙の断崖」/S・セーガルはその昔「ショウビズ」のインタビューで「もっとメッセージのある映画に出たい」と言っていたが、「沈黙の要塞」と今回は環境問題を盛り込んだ作品。全編にブルース、カントリー・ナンバーが流れるのがほのぼの…。しかしセーガル映画はやっぱりただひたすら殴って蹴って、走って撃ってのB級C級活劇の方がお似合いで、だんぜんそっちが良い。「死の標的」が1番好き。
「スクリーム2」/ロメロやアルジェントの不調を横目に、「エルム街の悪夢」のウエス・クレイブンは最近ヒット連発。しかし「スクリーム」は期待したほどの出来ではない。今回は期待しなかったのでまずまず。相変わらずホラーマニア向けのセリフが頻繁に…。
「四月物語」/岩井俊二は球種を増やそうと「スワロウテイル」を大きく外す。今回は得意球をど真ん中へ。まるでこの球ならいつでもストライクをとれる、とばかりに…。
「絆」/古い話をどんな新しい器に…、しかし器も古いまま。以前どこを向いても緒方拳、右も左も緒方拳、という時代があったがいまや日本映画のスクリーンは役所広司だらけ。別に嫌いじゃないけど…どうにかならんか?
「山椒太夫」/日本映画は黒沢、小津、溝口に代表された時代があったが、黒沢、小津は今観ても十分面白い、しかし溝口は?どうしてこんなにうっとうしい映画ばかり創ってたんだろう。先日観た「好色一代女」は望まぬ結婚、没落、子別れ、親の死、病気、転落等々考えつく不幸のオン・パレード!なぜこんなのばかり創ってたんだろ?ただ「近松物語」だけは観たあと2〜3日この映画の事が頭から離れなかった位、凄い。
♪♪「ラリーフリント」/以前BSで録画して観たら、2時間テープに納まらず、ラストの10分位が切れてたので仕方なくそのラスト10分を観るため借りてくる。雑誌を創るのに4ページ単位でページ数を決める事さえ知らずにスタートしてポルノ雑誌「ハスラー」を創刊し、刑務所に何度もぶち込まれたり、狙撃されて下半身不随にされたり…たかがポルノグラフィーを獲得するため、こうまで苛酷に闘わねばならんとは…まだまだ日本は甘い、というべきか。戦争の死体と裸の写真を交互に見せて「どっちが卑猥だ?」と演説をぶつシーンとか、ゲーリー・ライトの「夢織り人」が流れるエンディングなど結構心に染みる。
「バッド・アウトロー」/西部劇でめぼしい作品はあらかた観ているのであとは新作に期待するのみ。この作品は未公開作みたいで聞いた事もなく、J・コバーン、バート・レイノルズ共演とくればひょっとしたら久々の本格ウエスタン?期待を胸に観てみたが…出来はまずまず、しかし、期待したものと全然違う…。ウ〜ン…ひねりのない王道ウエスタンはもはや観れないのか?G・ハインズの葬儀屋[アンダー・テイカー]がちょっといけてる。

「ディープ・インパクト」をやっと観る。「泣きパニ」とのことだったが期待したほど泣けず。昔の東宝特撮「世界大戦争」など思い出す。「アルマゲドン」同様自己犠牲で泣かせるパターンは「セーラームーンR」に遠くおよばない。

「エースをねらえ!」・劇場版/出崎、杉野コンビのこの作品は我がベスト・アニメだがTVシリーズ、オリジナル・ビデオ版は全部収録したものの、この劇場版は観てなかった。キッズ・チャンネルでの放映で初めて観る。何とわずか90分に宗方コーチが「岡、エースをねらえ」と書いて死ぬラストまで全部はいってる!岡ひろみ&お蝶夫人のファンとしてはいつか同人誌で描きたいところ。[雑誌では2〜3回描いた]余談だが昔来たやかましい女のアシスタントによるとその昔、「おいXX、パン買いにいこうぜ」に「よろしくてよ」と答える「お蝶夫人ごっこ」というのが流行ったという。
「柘榴館」/乱歩的世界らしい感じがして何かネタが拾えないか観てみるが、あきまへん。
「ブルース・ハープ」/今日本映画界で一番のってる三池監督、若いヤクザとミュージシャンが破滅するまでの平凡な話を非凡に描く。多作ながらさすがにはずしてない。
1999年の夏休み/「ガメラ」の金子修介監督作品。少女マンガのファンだったのか、デビュー作は「エースをねらえ!」のパロディ「濡れて打つ」、そしてこの作品は萩尾望都の「トーマの心臓」の映画化。マンガの少年キャラをサスペンダーに半ズボン、ストッキングにガーター・ベルトの少女に演じさせたり[10年以上前の深津絵里ら]、ゆるやかな風にゆらぐ白いカーテンに柔らかい夏の日ざしが差し込む画面作りは今やカルト・ムービーと化しているか?昔観た時はあんまりインパクトはなかったが、久し振りに観ると金子監督にもう少しエロの才能があれば…おじさんとしてはもう少し舌舐めずり出来たんだが…。ウ〜ン、惜しい!
日本沈没/これも久しぶりにBs放映で再見。ヘリで眼下の東京を眺めつつ、当時の日本人の繁栄を語らせるセリフが「…歌手になりたい娘、大学を出て一流企業にはいりたい青年…」とは…思わず吹き出しそうになる、とてもかっての橋本忍の脚本とは思えない。
「ゴッド・ギャンブラー/賭神伝説」/チョウ・ユンファの「ゴッド・ギャンブラー」の過去篇、ユンファが出てないので期待せずに観たらそれなりに楽しめる。
♪「フラッド」この映画は拾い物。街が洪水で水浸しの中をギャング、警備員、保安官の三つどもえの戦いは出演者は全編水まみれ。こんなアクション映画は40年近く映画観て来て初めて。
♪♪「遊侠一匹・沓掛時次郎」/加藤泰の名作を久し振りに。錦之助いいですね〜。何度観てもジンとくる股旅ものの傑作なり。
「岸和田少年愚連隊・望郷/」このシリーズ3作目か、日本映画界最多登板の三池監督、さすがの出来。
「平成侠客伝・鉄」/快楽亭ブラックが誉めてたので観てみたら結構いける。オリジナル・ビデオの顔・竹内力主演の「荒野のストレンジャー」か?エロマンガでこの手はまだ使ってないので今度いただこう。
♪「誘拐」/劇場で観た後もう1度観たかったのをTVで再見。日本映画史上まれにみるカメラの大迫力!よく「踊る大捜査線」は大ヒットしたのにこれはなぜ当たらなかったのか?と言われるが、確かに「羊たちの沈黙」「天国と地獄」等のパクリだらけの「踊る…」より映画としてはこっちがずっと面白いし上出来。ただ決定的違いと弱点は犯人、刑事等キャラ全員が魅力ゼロ。「踊る…」の方は「今」がはじけてるしね。
「トゥルーマン・ショー」/「外」の世界に出たあとの主人公は?結局多くのカメラに囲まれて以前とあまり変わらなかったりして…。

前売りを買ってた「少女革命ウテナ」、打ち切られる前に観なくっちゃと駆け込む。客まばら、「アキハバラ電脳組」のラスト15分位を観て、お目当ての「ウテナ」が始まる。真っ赤な薔薇の雨が降るシーンはアニメならではの美学で、さすがに絵のクオリティは高い。でもやっぱりラストは飛び過ぎか?TV版がシュールだったのでこっちはまともな正攻法で創って欲しかったなぁ。満足度低し。
「スプリガン」/大友克洋総監修との事で確かに大友調。しかしこの手の作品にも飽きました。
「生きない」/ダンカン脚本主演、やっぱり北野調。ダンカンは死神をクールに演じいい味。オチはやっぱり…。
「SFサムライ・フィクション」/素人にチャンバラやらせちゃいけません。しかし時代劇やれる役者もいなくなったからなぁ。「雨上がる」「どら平太」期待薄。「御法度」はキャスティングが凄いのでつい期待してしまうけど…、大島渚が王道時代劇を創る筈もないし…。
「ラストサマー」/犯人の背景をもう少し描いてくれないと…、「スクリーム」とどっこい。
「チャカ」/やっぱりこんな安いVシネマもどきが今一番おもしろいな。竹内力、相変わらずいい!
「アンドロメダ」/日本映画界最多登板の三池崇史監督、さすがにスピード主演のアイドル映画では腕の振い用がなかったか、珍しくはずし。あと1本「フルメタル極道」もはずしてるらしいがこっちも観てみたい。
「ハーフ・ア・チャンス」/J・P・ベルモンドとA・ドロンの「ボルサリーノ」以来の共演作。こいつらにR・バンチュラ、J・ギャバン、I・モンタン等がいた頃のフランス映画はおもしろかった。結局スターがいなくなったのが衰退の原因かも。さてこの作品は実に楽しい…、けれど…、もっと上手く創れないものかと実に残念。二人が共演するのも最後だろうに。
「現代任侠伝」/ヤクザものの本家東映制作なのでVシネマもどきにの3倍のおもしろさは保証してくれなきゃ面子が立たん…筈がせいぜい0.7倍位で、これじゃお客は劇場に行かないよ。役者も奥田瑛二じゃなぁ〜〜[「恋極道」はよかったけど]。他にスクリーンで主役やれる役者はいないのか?
「マッド・シティ」/この映画のマスコミ批判はちぃと甘いんじゃねーのかい?こういう立て篭り型映画の中ではS・ルメットの「狼たちの午後」がよかった。
ロスト・イン・スペース」/TVシリーズ「宇宙家族ロビンソン」のリメイク映画。結構拾い物。映画もシリーズになりそう。ドクター役のゲイリー・オールドマンはすっかり、ミスター・ファック野郎デニス・ホッパーの後継ぎになった感じ。
「極道の墓場〜フリージア」/注目の渡辺守監督[凶銃ルガーP08、チャカ等々]の作品。三浦友和の極道じゃ、ちょっと…凄みが…。哀川翔はいい味出してる。
「ビッグ・ヒット」/J・ウー制作だけあって、さすがにアクションの凄いシーン有り。命がけの戦いのあと遅延してたレンタル・ビデオを返しにいくオチがなんともおかしい。
「ツゥー・デイズ」/予想外の展開に期待しないで観ると地味ながら結構いける。役者が多彩。
「リーサル・ウェポン4」/掛け合い漫才風のこのシリーズ、すっかりファミリーものと化しせっかくリー・リンチェイ[ジェット・リー]が悪役を引き受けてくれたのに、あ〜、もったいない出来…。しかしアメリカにはリ−と対等に戦える役者はいない…か。そろそろ打止めかなこのシリーズ。メル・ギブソン…マッドマックス・シリーズのクールな味が忘れられない。シリーズ復活という噂も聞いたが…どうなった?
「アベンジャ−」/12CH「木曜洋画劇場」でやりそうなC級アクション。『飛びかう銃弾X万発!クラッシュする車数百台!』みたいなパッケージ・コピーにつられて借りた未公開ビデオ。カー・クラッシュシーンのみ異常に盛り上がるカースタントマンが創ったような映画。
「マグニチュード」/ほとんど教育映画。観た事を後悔…。
「狼たちの賭け/JACK KNIFE」/これもほとんど見どころなし。誰か宍戸錠&小林旭の映画をあと1本創ってくれないかな。

早見純がこれで泣けなきゃ人間じゃない、といった木下恵介の「陸軍」を借りてきて朝方観る。何と昭和19年の作品で敗戦前年の軍国映画。笠智衆が相変わらずの演技でほとんど「お国のために」の作品なれど、「天子さま」にお返しするため息子を送り出したあと、田中絹代の母が掃除の途中…耄けた状態になり…そして何かに突き動かされたように出兵する息子を探すラスト10分の長いドキュメント・タッチ…、ウン、ここが泣かせ場だなと情感が高まった瞬間、突然画面が「おぼっちゃまくん」のアニメに?!しまった!録画ミス?ン?これはレンタル・ビデオのはず?ビデオがイジェクトされ、「な、何だぁ?」と首をひねってると、何と猫がリモコンを踏んでる!「馬鹿もん!」と猫をけっとばしビデオを再度挿入、続きを観るが流れがとぎれてしまい…、駄目だ、もう涙が沸いてこない。あ〜あ…。
朝方、「陸軍」のラスト10分だけでも…と今度はちゃんと途切れないよう観よう、とスタート。ところが途中地震が!!あわててビデオ切ってTVを見る。何とか治まり続きを観るがもう盛り上がりが失せてしまい…アカン!とフテ寝てしまう。 夜、今度こそは、と「陸軍」のラスト10分のみを邪魔されずにちゃんと観る。 何とも群集シーンの撮影が凄い。何でも企画した陸軍からこの場面は軍国の母には女々しすぎる、と批判されたそうだ。戦地へ向かう息子が母の顔を見てさわやかに微笑む姿は「甲子園へ向かう、さわやかな笑顔の球児」といった感じで甲子園の彼方には日の丸が見えるのは俺だけ?

「ゴースト・オブ・ミシシッピー」/南部での黒人への差別裁判をひっくり返す何度もみたような良心作。「スタンバイミー」「ミザリー」のロブ・ライナー監督にしては全くの凡作。
「修羅の狼/蜘蛛の瞳」/黒沢清の作品は「地獄の警備員」あたりから「CURE」、あたりまで皆薄気味悪い。中でも「復讐」シリーズの1本目だったか、表向きは外国人労働者を使う洗濯屋を営む近親相姦風殺し屋ファミリーが妙にリアリティがあって、観終わったあとどす黒い不快感が残る。今回も不可解な後味で、あとを引く。
「FACE」/造幣局襲撃、裏切り、仲間割れ、自滅の道へ…、腐る程観た犯罪ものながら、人物造型がある程度出来てるのでけっして屑映画じゃない。イギリス映画は渋いね。
「タクシー」/ノンストップ・怒涛の大アクションを期待したらユーモアを交えた割とヌルいフランス製のカーチェイスもの。
「噛む女」/「木曜洋画劇場」で時々やる悪女もの。お約束のブロンド美女の裸もあり平均点。
「冷たい月を抱く女」/こっちもN・キッドマン主演の悪女もの。こっちが出来はいい。でも観てないつもりで借りてきたのに以前これ観たなぁ。こんな事、最近はよくある話…。展開もすっかり忘れてるのでまぁいいか。

「SWエピソード1」、いつものテーマ曲が流れても、なじみのキャラが出てきても少しもわくわくしないので、どうやら自身、あんまりこのシリーズのファンというわけでもないみたいだ。期待以上でも以下でもない想像通りの出来。ポッド・レースの場面は、お、「ベンハー」か?と思ったがほとんどゲーム感覚。どうやらルーカスはゲーム屋向きで映画監督は向いてないみたい。せめてラストの一対二のチャンバラ位、未だかってない空前の大殺陣を見せてほしかった。次作は制作に廻って、ぜひツイ・ハークに監督させてくれたら100倍はおもしろくなる事をダー松が保証する!
「日本の悲劇」/軍国映画「陸軍」とこの戦後の木下恵介作品はコインの表裏のように対をなしてるようで、戦後の貧困の中、身体をはって育てた子供たちからうとまれ、見捨てられ、遂に列車に飛び込む母の姿に結構ズキズキ突き刺さるものあり。かなり強烈!
「Xーファイル ザ・ムービー」/TVのXーファイルは最初観ていたが「物体X」等の映画のパクリが多すぎて観るのを止めた。この劇場版は派手な見せ場が2〜3箇所あるもののファン以外は観る必要なし。
「中国の鳥人」/三池崇史監督、アイドルものから極道もの、青春もの、幅広くいい仕事してますね〜。今回もいい出来。
「キングダム3、4章」/去年1、2章を観て、じじい顔の赤ん坊が生まれる仰天のラスト!「ER」+「ツイン・ピークス」と言われるデンマーク製の年に2章づつのTVシリーズ。「奇跡の海」でカンヌでグランプリか何かをとったこの監督[名前失念]はD・リンチのファンらしく多彩で摩訶不思議なエピソードをちりばめて、見るものをその魔界にいざなう。今回もラストはもうはちゃめちゃなブラックな笑いに包まれ、いったいこの先どうなるんだ?というところで「続く」。おいおい、これでまた1年待つのか?
「新82[ワニ]分署」/白鳥智恵子のボディのみ楽しめる、D級アクション。
「ダークマン2」/サム・ライミが創り出した闇のヒーロー、今度は制作のみ。ゆえに出来はドンとおちる。
「極道の妻たち・赤い殺意」/岩下志摩の「極妻」は何もそんなに力まなくても…と思う位ほとんど大笑いの芝居だが、これは高島礼子主演作品。本来男たちのドラマの極道ものなれど、この「裏」極道ものが東映の唯一のヒットシリーズとは嘆かわしい。俺は男たちのドラマが観たいぞ。「極妻」シリーズは実につまらない。
「修羅の群れ」/松方弘樹、菅原文太、鶴田浩二、若山富三郎等々やくざを演じるために生まれてきたような役者によるオールスター映画。さすがにこの頃は今と違って役者がそろっていますねぇ〜。しかし出来はやくざの偉人伝みたいでつまらない。
[ネイルズ」/Mr.ファック野郎デニス・ホッパー主演の刑事映画。相変わらず「FUCK!」を連発!シャワー浴びてるとこを銃撃され、フルチンで通りに飛び出し、逃げる車を乱射する場面はMr.ファック野郎の面目躍如。出来はもう一つだがホッパーの映画は皆面白い。
「ノー・エスケイプ」/アメリカ興行収入ベストテンに数週間はいってたし、監督も近年の007映画のM・キャンベルなので悪い出来ではないのに確か日本劇場未公開、ビデオのみリリースのみの作品[?]。これはきっと主演レイ・リオッタのせいでは?「不法侵入」で薄気味悪い雰囲気がぴったりのはまり役のせいか、その後の作品もそのイメージがとれないので損してるような気がする…。
「フル・モンティ」/職安に通う失業者が恥も外聞もかなぐり捨てて男性ストリップをやる、ちょっと話題になったイギリス映画。「フラッシュダンス」のビデオをを万引きして振り付けを考えたりする笑えるシーンも多いし、裸になる自信のないデブの男が女房に「貴方の裸、見たい」と励まされるグッとくるシーン等々人物描写もびっちり出来てて楽しめる。先日観た「フェイス」の主役がこっちも主役やってる。名前は知らん。

♪「ブラス!」/「フル・モンティ」同様、多彩な人物をちゃんと一人一人描いてある、これがイギリス映画の特徴か?こちらは閉鎖目前の炭坑労働者のブラスバンドが大会に出場する話で、ハリウッド製と違うのは勝っても「勝利万歳!」で終わらず、勝利のカップを故郷に持ち帰っても待っているのは炭坑閉鎖の職なし状態、「威風堂々」を演奏しながらロンドンを後にするラストは爽快感もなく、実にほろ苦い。「フェーム」のアラン・パーカー監督「ザ・コミッツメント」も素晴らしかったが、さすがに音楽ものは強いな〜。近年イギリス映画が好調とは聞いていたがすっかりはまりそう。地味だけどね。ところでどこかで見た顔の若い奴が出てたが、「SWエピソード1」でオビ=ワンを演じてたユアン・マクレガーじゃねぇの。お主も出世したのぉ〜。
「オースティン・パワーズ」/最近続編の「…デラックス」が公開された007のパロディ。期待した程笑えず。
「危ない刑事フォーエヴァー/THE MOVIE」/男優のじじい化はまだ許せるが、レギュラーの女優のババァ化は許し難いものがある。浅野温子を誰か何とかしろ!近年やっとリニューアルされた「007」のマネー・ペニ−の老女化にももっと早く歯止めをかけといてほしかった。
「緊急接近 ZONE」/名作「ファイヤー・フォックス」のいただき。ラストに「アレキサンダー・ゴドノフに捧げる」と出るが、この作品に出演している役者、もとバレエダンサーのゴドノフ[「ダイハード」で最後に死ぬ役やってた金髪、長髪、長身の役者]はこの作品後に死去?
「ブラッディ・ガン」/珍しいオーストラリアを舞台にしたトム・セレック主演の西部劇。いけてます。悪役をこれも「ダイハード」で親玉を演ってた役者が…、名前出てこない。
「鉄火場の風」/この頃の裕次郎はまだ許せる。でも脇の赤木圭一郎がいい味。たしか小学生の頃、親と観た記憶がある。あと文芸座オールナイトでも、それ以来の再見。
「闘牛に賭ける男」/これも小学生の時、親と観たような、しかしぐーぐー寝てたような…。ほとんど記憶にない。今回が初めて観るようなもの。しかしこの頃の裕次郎作品はもはやすっかり活力がない。

♪♪「マトリックス」/「バウンド」でレズビアンの犯罪映画をいい味で創ったウォシャウスキー兄弟の近未来アクション。ストーリー的には目新しくないし、近年のアニメで良く見るようなサイバーパンクな結構暗くて重たい内容。「SW」のように3部作の第1弾らしく、救世主まで現れる展開はそんなにおもしろくもないものの、やっぱりこれは「ブレード・ランナー」以来のビジュアル映画として長くカルトな人気を保ちそう。思えば「ダーティ・ハリー」あたりからのアクションの進化はめざましく、香港映画の無重力アクションを経て、遂に天まで飛翔するバレエのごとき空中回転舞踏アクションとしてここに極まれり!といった感じ。そういえば「マッド・マックス2」が出現して以来、近年の「ウォーター・ワールド」まで「マッド・マックス2」もどきの映画の何と多かった事か。これから「最後のマトリックス」とか、「マトリックス・ソルジャー」とか、「ゾンビ・マトリックス」とか「マトリックス」もどきの2流、3流の映画がぞろぞろ創られそう。きっと「木曜洋画劇場」でやるんじゃないかな。
早見純とTELで「マトリックス」談義。超描き込みのアメコミ「ハードボイルド」[英語版と日本語版の両方を所有してるのが自慢]のジェフ・ダローがビジュアルを担当してるそうな。「ブレード・ランナー」も内容はたいしてないものの、そのビジュアルのみで今日までその影響は計り知れない位愛好者が多いが、これもそのうちの1本と言えそう。あと、アニメ「攻穀機動隊」等日本のマンガ、アニメの影響も大きいような気がする
「夕陽の丘」/裕次郎作品は一時のふぬけたサラリーマンものを経ていわゆる「ムード・アクション」の時代に到達し、この時代には何本かの佳作があり、これはその頃の作品。劇中アコースティック・バージョンの「俺は待ってるぜ」を聞かせてくれ、いかにも日活的雰囲気に酔わせてくれる中期の裕次郎作品では好きな1本。

♪♪「ムトウ 踊るマハラジャ」/笑った!笑った!前半1時間余はこんなに笑ったのは久しぶり!「オースティン・パワーズ」の10倍は笑える。2回も録画ミス[3時間位のこの作品を2時間テープで2回も録った]して今回やっと観たかいもあったというもの。それにしても「変」。インサートされる鳥や象の顔のアップは何?肩からかけたタオルは何?ちょっだけ「香港映画」がはいってるが、「妙な」アップ、「妙な」間、「妙」なカットの繋ぎ方、映画文法が微妙に「変」。癖になりそうな「珍なる」映画。
「SADA」/大林監督による阿部定。これも2時間テープからはみ出てラストが観れんかった。しかしレンタル屋でラストを観るため借りてこようとは思わない。これはもう、これでいいや。
「釣りバカ日誌10」/シリーズ中では出来はいい方。渥美清が死んで傾いた松竹、そろそろ三国連太郎もいきそうだしファイナル・カウントダウン?
「CUBE」/なかなか面白くなりそうなイントロ、いかに脱出するか、低予算を逆手にとってキューブの中だけの展開のアイデアがいい。しかしこんな作品はいかに着地するかで見終わったあとの印象が随分違う。こんな終わり方?いやこんなオチでどないだ?いやいや、変わりゆく人間模様を見ればいいのかも?等々考えてるうちに終幕。…やっぱり幕引きは難しい…。
「お墓がない」/この映画もお墓へ。
「ザ・グリード」/「エイリアン」もどきの作品は世界中でいったい何本創られたか知らないが、仮に1000本あるとしたらこの作品はベスト50位くらいにははいるかも?
「部屋/THE ROOM」/5秒で済むカットを1〜2分の長回しでやればまた違った味の映画が…。昔のATGで見たような雰囲気の、殺し屋が自分の部屋を探す、ただそれだけの映画。録画ミスでラストがまた途中で切れてる。どんな結末だったのか?ちょっと気になる。
「ウィークエンド・シャッフル」/筒井康隆原作のファンタジーものは「時をかける少女」のような成功作はあるものの、ナンセンスなお笑い系はほとんど成功しないな〜。日本映画の苦手ジャンルといえるかも。
♪「ユメノ銀河」/「狂い咲きサンダーロード」で感激!しかしそれ以来さっぱり当方を刺激してくれなかった石井聡互監督が夢野久作の「少女地獄 殺人リレー」を映画化したのが本作。ロケハンを含めモノクロ撮影が素晴らしい。役者もいい味、久しぶりに気に入った作品で観るのはこれで2回目。それにしても、たまに録り溜めしたビデオから日本映画を選んで今日は何を観ようかな〜と物色するとついついモノクロの「泥の河」や「麻雀放浪記」を手に取ってしまうのはなぜ?
「愛を乞うひと」/たけしの「HANA-BI」を押し退け「日本」アカデミー賞を独占した本作。予告編で子供の髪を切る場面を観て頼まれてもこんな映画観に行かないぞ、という気にさせてくれたもので、どうして日本映画は1万円払うから観てくれと言われても観たくない作品ばかり創るのか実に不思議。日本映画業界全体がカルト化してる。この作品もTV放映だから観てあげたようなもの。快楽亭ブラック式採点なら「鞭」と「ロウソク」。
以上1999年10月まで

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