時代劇映画ベストテン
黒沢時代劇は別格として1スター、1監督でセレクション。
1 一位は何といっても全作品を観ている「座頭市シリーズ」。中でも最初に観た第4作目の「凶状旅」を選ぼうかとも思ったが、ここは城健三郎こと兄若山富三郎とのラストの対決が素晴らしい「座頭市千両首」を輝くベストワンに!勝新は「座頭市」シリーズ以外では「人斬り」も傑作。
2 市川雷蔵の「眠狂四郎」シリーズでは、当時の大映時代劇のレベルの高さがよく解る「女妖剣」が一番。。雷蔵は「薄桜記」「大殺陣雄呂血」「ひとり狼」「剣鬼」「斬る」「剣」等々名作ぞろい。しかしいきなり原則からはずれて1、2位とも池広一夫監督作品。
3 時代劇といえば宮本武蔵、時代劇役者といえば中村[萬屋]錦之助。当然代表作は「宮本武蔵・一乗寺の決斗」で決まり。ラストのモノクロ[ブルー・トーン]の大殺陣は壮絶!他に「遊侠一匹」「関の弥太ッぺ」等々。
4 名匠三隅研次監督作品は雷蔵作品に多々あるのでここでは若山富三郎の「子連れ狼」シリーズからラストの砂丘での戦いが凄い「三途の川の乳母車」をセレクト。同監督作品には斬られた相手が真っ二つになるシーンがいくつかあるが、ここでは頭が血を吹き上げながらスローモーションでゆっくり割れていくシーンが白眉!TVで放映される時はたいていこの場面は短くカットされている。
5 黒沢時代劇を別格とすると三船敏郎作品は雪の中での凄まじい斬り合いの岡本喜八の「侍」。
6 この辺で洋画からいくつか選ぶとするとまずはツイ・ハークの「ドラゴン・イン」。以前雑誌に香港映画未公開作品として砂丘で3人の男女が斬り結ぶスチール写真が載っているのを見て、「これは凄そう・・・!」と思ったものだったが、後日実際にビデオで観たらはるかに想像以上の出来。4人の男女が逆光線の中、砂丘を跳びはね、駆け抜けながら斬って突いて血肉が弾け飛ぶ壮絶無比、問答無用の香港剣劇映画の会心作!
7 「ドラゴン・イン」はキン・フー監督による「血斗!龍門の宿」のリメイクだが、そのキン・フーの「侠女」における竹藪での2対2の決斗場面の見事さは今や語り草となっておりここでわざわざ書く事もないだろう。
8 「ベンハー」「スパルタカス」「クレオパトラ」「ヘラクレス」等の古代史劇は近年金がかかり過ぎるせいか中々創られなくなって残念。ここではシュワルツネーガー以前のミスター・ナイス・ボディのC・ヘストンに敬意を表して馬上の槍での対決、続く長剣での死闘、海辺での合戦等が見事な「エル・シド」を挙げておこう。
9 西洋剣劇の名手といえば「コナン2・キング・オブ・デストロイアー」「レッド・ソニア」のリチャード・フライシャー。どの作品でもいいが、K・ダグラスvsT・カーチスが塔の上で戦う「バイキング」をセレクション。
10 最後にTV時代劇から一本だけ、必殺シリーズの第一作、緒形拳の梅安さんが絶品の「必殺仕掛人」を。
他に「方星玉2」、「無用之介[TV]」、「大殺陣」、「ゼンダ城の虜」等…。なお後日観た「妖刀斬首剣」も大感激!
●追加「グリーン・デスティニー」/香港映画[本作は米・中合作]の定番「空中浮遊・無重力・剣劇」はもはや妖精たちの戦いの次元に!アメリカ帰りのC・ユンファはもちろんいいがミシェル・ヨ−が誠に素晴らしい!中国の古い建物も西部劇ばりの大自然もまさに絵に描いたような美しさ!ヨーヨー・マの音楽も陶酔の世界に誘い込んでくれて、まるでバレエを観るがごとし!で……しばしうっとり…♪